JA全農あきたは29日、県内の各JAに支払う2024年産米の概算金を決めた。主力品種のあきたこまち(60キロ、1等米)を1万6800円に設定。23年産を4700円上回り、金額、上げ幅ともに現行の概算金制度となった15年以降で最高となった。
24年産米の概算金は足元で品薄感が続いて新米需要が高まっていることを受け、全国のJAで増額提示が相次いでいる。JA全農あきたは、肥料や燃料など近年の資材費高騰も考慮して概算金アップを決めた。
他の主な銘柄では、サキホコレは1万9500円(前年比4700円高)、ひとめぼれ1万6300円(同4800円高)、めんこいな1万5900円(同4700円高)、ゆめおばこ1万5900円(同4700円高)となった。
あきたこまちの概算金の推移はグラフの通り。新型コロナウイルスの影響で業務用米の需要が低迷した21年産米は1万600円にまで下がったが、22年産米以降は3年連続で前年を上回った。
JA全農あきたの小松忠彦会長は報道陣の取材に「秋田は3年続けて大雨に見舞われ、農業をやめるという声が多い。価格を上げることで農家にもう一度やる気になってもらいたい」と説明した。
秋田県の佐竹敬久知事は、ブランド米のサキホコレを挙げて「他県のブランド米に肩を並べる水準となり、県内農家の生産意欲向上につながる。県として、一層の競争力強化に向けた取り組みを推進していく」との談話を出した。