大手ファミリーレストランの「すかいらーく」が12月15日、24時間営業をしている987店舗のうち、約8割の店舗で深夜営業をやめることを発表した。働き方改革の一環という。すかいらーく以外にも、ロイヤルホストやマクドナルドなどでも深夜営業を見直しているという(2016年11月18日付の朝日新聞による)。
■深夜帯の働き手が見つからないことが原因か
深夜帯の就労は何かとトラブルがつきものだ。2014年には別の飲食チェーン、ワンオペ(ワンオペレーション、従業員1人での営業)が問題になったことは記憶に新しい。
もしトラブルを起こせばブランドイメージを下げるだけでなく、品質低下も招きかねない。いくらコスト削減のためとはいえ、客足が遠のいてしまってはマイナスでしかない。
コンビニエンスストアにせよ、レストランチェーンにせよ、深夜のアルバイトは深夜手当が付くが、それでも決して高くはない。だから外国人留学生が増えているということもあるだろう。どこも人手の確保には苦労しているようだ。
■コンビニなどにはチャンス?
飲食チェーンの深夜営業を中止する原因は、ほかにも外的要因が考えられる。まずニーズがないというものだ。
深夜営業をする店舗は、一見すると利便性が高いお店だと言えるだろう。忘れてはならないこととして、これはあくまでビジネスである。ユーザーがいなければ、ましてや採算が合わないのであれば営業しないほうがいいに決まっている。
またコンビニのイートイン対応店舗の拡大も関係しているだろう。消費者が単に空腹を満たすためなら、飲食店に入らずともコンビニで買って、そこで食べてしまえばいい。
お酒を提供するバーや居酒屋などは、ビジネスチャンスと考えられるかもしれない。上で述べたように、コンビニにとっても同様だろう。
深夜営業の中止は、その場所において24時間営業というサービスが必要でなかったということにほかならない。「いつ行っても開いている」ことはイメージ面からも重要なのかもしれないが、採算があわなければ続けられないのは当然だ。「閉まるのは残念」という声があったとしても、その人たちがどれだけ深夜利用していたのか疑問に思えても当然ではないだろうか。「深夜割増料金」を払ってでも使いたいと思うだろうか。
1月2日の年賀状配達も、正月早々に始まる初売りも、いつでもほぼ定刻通りの運行が求められる鉄道も、そしてファミレスの深夜営業も、「あれば嬉しい」かもしれないが、本当に「ないと困る」ものなのか。消費者向けサービスのあり方を見つめなおす時期にきているのかもしれない。(ZUU online 編集部)