30、40代「貯蓄ゼロ」が23%の衝撃。平均額52万円減少も

SMBCコンシューマーファイナンス株式会社が発表した「30代・40代の金銭感覚についての意識調査2019」によると、30代・40代の貯蓄額 「貯蓄ゼロ」がは昨年比6ポイント上昇の23%になり、平均額は52万円減少していることがわかりました。

貯蓄から消費へ? 30代・40代の貯蓄額 「貯蓄ゼロ」は昨年比6ポイント上昇、平均額は52万円減少

現時点で、どのくらいの貯蓄ができているか聞いたところ、「0万円(貯蓄ができていない)」が23.1%となったほか、「1万円~50万円以下」(24.6%)にも回答が集まり、100万円以下までの合計は60.5%となり、貯蓄額が100万円以下という人が多数派であることが伺えました。

他方、「500万円超~1千万円以下」(8.0%)や「1千万円超」(9.8%)との回答もそれぞれ1割程度みられ、貯蓄額の調整平均(※3)は195万円に。これを昨年(2018年)の調査結果と比較すると、貯蓄ができていない人(「0万円」)の割合は、2018年17.1%→2019年23.1%と、6.0ポイントの増加となりました。

また、貯蓄額の調整平均は2018年247万円→2019年195万円と、52万円も減少しています。貯蓄ができていない人が増え、貯蓄額が減っていることから考えると、30代・40代では貯蓄にあてるぶんのお金を消費にまわしたという人が増えたのではないでしょうか。

調整平均額の変化を年代別にみると、30代では2018年198万円→2019年194万円と大きな変化はみられなかったのに対し、40代では2018年316万円→2019年196万円と、120万円の減少となりました。

SNSでも大きな反響が

この数字にSNSでも大きな反響があり、「貯金ゼロはさすがにまずい」「非正規は生活ぎりぎり」「ますます格差は広がるだろう」「老後のお金を貯めるなら40代前半までがぎりぎりでは」「老後は若者世代に邪魔者扱いされそう」など、貯金ゼロ層急増の結果に対して、様々な懸念が上がっています。

リタイアまでに貯蓄がいくらあれば安心? 40代では平均5,473万円、20代より1,447万円高い結果

仕事をリタイアする年齢までに、どのくらいの貯蓄があれば安心だと思えるかを聞いたところ、「500万円超~1千万円以下」(18.1%)に最も多くの回答が集まったほか、「3千万円超~5千万円以下」(16.8%)や、「2千万円超~3千万円以下」「5千万円超~1億円以下」(同率15.4%)にも回答が集まり、平均額は5,214万円となりました。

平均額を年代別に比較すると、20代4,026万円、30代4,955万円、40代5,473万円と、年代が上がるにつれて金額が高くなる傾向がみられました。老後が身近になってくるほど、老後の生活に対する不安が高まり、安心できる金額を多めに見積もる人が多くなってくるのかもしれません。

30代・40代の半数以上が「結婚しよう」と思える年収は500万円、「出産・子育てをしよう」では年収600万円

30代・40代は、ライフイベントと年収額に関してどのような意識を持っているのでしょうか。まず、<結婚>をしようと思える世帯年収額を聞いたところ、年収400万円でしようと思える割合(「年収400万円あれば」までの合計)は37.0%、年収500万円でしようと思える割合(「年収500万円あれば」までの合計)は56.7%となりました。30代・40代の半数以上が結婚を考える年収額として、500万円が節目となっていることがわかりました。

次に、<出産・子育て(1人)>をしようと思える世帯年収額を聞いたところ、年収500万円でしようと思える割合(「年収500万円あれば」までの合計)は44.7%、年収600万円でしようと思える割合(「年収600万円あれば」までの合計)は56.2%となりました。30代・40代の半数以上が出産・子育てをしようと思える年収として、600万円が節目となっていることがわかりました。結婚よりも出産のほうが、年収額のハードルが高めに設定されているようです。

管理職敬遠の傾向強まる 正規雇用者の半数以上が管理職で働こうと思える年収は900万円、昨年比100万円上昇

年収額と仕事・働き方のバランスについては、どのように考えている30代・40代が多いのでしょうか。現在、正規雇用(正社員・正規職員)の人(449名)に、<管理職>で働こうと思える年収(個人年収)額を聞いたところ、「年収1,000万円以上あれば」(24.5%)に最も多くの回答が集まりました。<管理職>で働こうと半数以上が思えるのは、年収900万円(「年収900万円あれば」までの合計52.9%)でした。30代・40代が責任の重い管理職という働き方に見合っていると思える節目は年収900万円となっていることがわかりました。

男女別にみると、女性では「年収がどんなに多くても、したいと思えない」が35.2%で最多回答となりました。管理職を敬遠する女性は少なくないようです。

また、昨年(2018年)の結果と比較すると、半数以上が管理職になりたいと思える年収額は、2018年800万円→2019年900万円と、上昇しました。管理職敬遠の傾向が強まり、管理職に見合う年収額を高額に見積もっている30代・40代が増えているのではないでしょうか。

働き方改革の影響? 30代・40代ビジネスマンの半数以上は、退社後寄り道をする“フラリーマン

働き方改革の推進で、長時間労働の是正や残業時間の短縮に取り組む企業が増えていますが、これまでよりも退社時間が早くなったという人も多いのではないでしょうか。

仕事が終わっても、まっすぐ帰宅はせず、ブラブラ寄り道をしながら帰ることがあるか聞いたところ、「ある」は49.7%となりました。男女別に「ある」の割合をみると、男性54.1%、女性43.7%で、男性の半数以上が、帰宅前にフラッと寄り道してしまう“フラリーマン”であることがわかりました。

フラリーマンの寄り道出費 平均額は1.1万円/月

寄り道でいくらくらいお金を使っているのでしょうか。

ブラブラ寄り道をしながら帰ることがある男性(242名)に、寄り道で、ひと月に使っている金額を聞いたところ、「5,000円~10,000円未満」(16.5%)や「10,000円~20,000円未満」(16.9%)などに回答が集まり、平均額は11,460円となりました。

フラリーマンの立ち寄り先 1位「コンビニ」2位「本屋」3位「居酒屋・バー」4位「家電量販店」5位「ファストフード店」

では、どんなところに寄り道している人が多いのでしょうか。

終業後の寄り道での立ち寄り先を聞いたところ、「コンビニ(カフェスペース、立ち読み等で時間をつぶす等)」が59.9%で最も多く、次いで、「本屋」が31.8%、「居酒屋・バー」が19.4%となりました。駅前など立ち寄りやすい場所に立地していることが多いコンビニに、つい吸い込まれてしまうという人が多いことがわかりました。また、「居酒屋・バー」が3位にランクインしており、帰宅前に一杯ひっかけて帰るという男性は少なくないようです。

“フラリーマン”満喫の裏側に…妻の8割近くが、家事・育児が自分に過度に集中する“ワンオペ妻”

フラリーマン男性が30代・40代の半数以上であることがわかりましたが、家庭での役割分担についても質問を行いました。

配偶者がいる人(496名)に、家事(または家事・育児)の負担が自分に過度に集中しているか聞いたところ、『そう思う(計)』は53.4%となりました。男女別にみると、『そう思う(計)』の割合は女性では76.0%と、男性(21.4%)と比べて50ポイント以上高くなりました。多くの妻が“ワンオペ”で家事や育児をしなければならない状態に置かれているようです。働き方改革が推進され、退社時間が早くなっても、まっすぐ家に帰らず、余剰時間を寄り道にあててしまう“フラリーマン”がビジネスマンの半数を超える一方で、一人で家事・育児をこなす女性が依然として多い実情が明らかになりました。

SMBCコンシューマーファイナンス調べ

http://www.smbc-cf.com/news/datas/chousa_190306.pdf

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