安定した老後を送るために、早いタイミングから貯蓄を意識する方が増えてきている。例えば、今後定年が65歳まで引き上げられたとして、夫婦の平均寿命を夫82歳、妻87歳と設定した場合、定年後に必要な貯蓄額を計算してみると、最低でも約5700万円、ゆとりのある生活を営みたいのであればおよそ9400万円の貯蓄が必要だといわれている。日本法規情報株式会社は、同社が運営する『相続問題相談サポート』『高齢者・老後・シニアライフ 税と法律の相談窓口案内』『税と法律の相談窓口案内 相続・遺言手続き』『相続税・贈与税相談サポート』の運用情報やユーザーへのアンケートを元に、30代~50代に聞いたリアルな貯蓄事情及び、老後の生活への展望についてアンケート調査を行なった。調査の結果、30代~50代に貯蓄額について聞くと、「500万円以上」との回答が約11%を占める一方、「10万未満」もしくは「貯蓄はない」との回答が36%となり、二極化が進んでいることが明らかになった。
◆現在の貯蓄高「貯蓄はない」が全体の2割の一方で500万以上との回答は11%
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現在の貯蓄額についてのアンケート調査の結果、「100万以上500万未満」との回答が最も多く全体の21%となった。続いて「貯蓄はない」「10万円未満」が共に18%、「50万以上100万未満」が11%、「10万以上20万未満」「20万以上50万未満」が共に8%、「500万以上1000万未満」「貯蓄どころか債務がある」が共に6%。「1000万以上3000万未満」は5%という結果に。500万円以上の貯蓄があると回答した人は11%だが、10万円未満、もしくは貯蓄はないとの回答が全体の36%を占め、さらには「貯蓄どころか債務がある」との回答も6%にのぼり、二極化が進んでいることが分かった。また、前述のように定年後に必要な額が最低でも約5700万円、ゆとりのある生活を営みたいのであれば、およそ9400万円の貯蓄が必要とされている中、今回のアンケート調査からは、この必要額を達成するには程遠い現実も併せて明らかとなった。
◆節約も貯蓄も無理。「子供たちの世話になることを期待」「年金に期待」が3割弱
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老後の生活の貯蓄のために具体的にどのような行動を起こしているかのアンケート調査の結果、最も多かったのが「月々1万円程度の節約している」で28%だった。続いて「副業を考えている」「現在副業している」が共に19%、「節約も貯蓄も無理なので、子供たちの世話になることを期待している」が16%、「月々3万円程度の節約している」が11%、「節約も貯蓄も無理なので、年金に期待している」が8%という結果となった。子供もしくは社会保障などの他者に期待を寄せるとの回答が全体の約4分の1を占めた。老後の生活の貯蓄のために、何かしなくてはならないという考えはあるものの、現実的には節約も貯蓄も無理であり、結局は「子供たちの世話になることを期待」「年金に期待」をしている方が3割弱もいる結果となった。
さらに自分の老後の問題の前に起こる可能性のあるのが「介護問題」だ。高齢化社会に伴い、介護問題は決して他人事ではなく、「まだまだ元気で介護の心配など全然していなかった親が突然脳梗塞で倒れたり、転んで怪我をしてしまい、幸い一命は取り留めたが当分リハビリの必要性がある。退院後は誰かのサポートが必要な状態がしばらく続く…」このようなケースは決して珍しいことではない。
◆「親の介護問題について話し合ったことがない」が約6割
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「介護問題」について家族間で話し合ったことがあるかというアンケートの結果、「話し合ったことがない」と回答した人が圧倒的に多く58%という結果となり「「介護問題について話し合ったことがある」と答えた人はわずか12%という結果となった。続いて「介護問題について考えた事はあるが話し合ったことはない」が12%、「介護が必要な親族がいない」が10%、「介護問題について考えたくない」が5%、「介護の話は避けている」が3%という結果に。介護問題が原因でトラブルに発展するケースが急増している背景があるにも関わらず、未だに「介護問題を他人事」と思っている実態が浮き彫りになった。
老後の生活もその前に起こりうる親の介護問題も、避けては通れない問題だ。また、老後についての不安はお金の問題だけではなく、昨今社会問題となりつつある高齢者を狙った悪徳商法等について心配する声や、認知症等になった際の財産管理を不安視する声も多く聞かれた。最近は、判断能力がしっかりあるうちに財産管理等を検討したいとのことで、法定後見制度(認知症、知的障害、精神障害などによって判断能力が不十分な方に対して、本人の権利を法律的に支援、保護する制度)について法律家に相談される人も増え、高齢者本人に良質で適切な支援をする法律事務所も増えているという。介護問題や老後ライフプランについて相談できる専門家見つけて、アドバイスを受ければ、多少は不安が解消するかもしれない。
有効回答数:1263人男性:494人 女性:769人)
アンケート期間:2014-07-01~2014-07-31