岐阜県高山市で19日午後、震度4を観測する地震がありました。岐阜県と長野県の県境では、4月から地震が相次います。
19日午後1時13分。岐阜県飛騨地方を震源とする、マグニチュード5.3の地震が発生。高山市で震度4、飛騨市で震度3などを観測しました。
気象庁によりますと、この地震を含め19日だけで午後5時半までに、岐阜県飛騨地方や長野県中部を震源とする地震が32回相次いでいます。
今回の地震について、専門家に話を聞きました。
名古屋大学 山岡耕春教授:
「群発地震というパターンの地震で、比較的小さな地震から始まって、規模が大きくなって、その後、大きくなったり小さくなったりしながら、やがて収まる」
今年は4月22日以降、岐阜と長野の県境付近を震源とする地震が130回以上起きています。一体なぜ、この地域で相次ぐのでしょうか。
山岡教授:
「飛騨山脈が今でも隆起しているところですが、飛騨山脈(=北アルプス)が、成長することに伴って起きている地震」
飛騨山脈。つまり、北アルプスが隆起する過程で揺れたと指摘しています。震源地にほど近い、高山市の新平湯温泉では…。
奥飛騨ガーデンホテル焼岳 石田純也常務:
「ゴゴゴゴゴゴって、かなり大きい揺れを感じました」
相次ぐ地震の影響からか、こちらの温泉では気になる現象が起きています。地面から湧き出ているのは、70度を超える熱湯。30年以上前に枯れていたはずの温泉の源泉が、先週以降、再び湧き出るようになったといいます。
石田常務:
「30年、止まっていた温泉が出てきて、びっくりした」
山岡教授:
「地震が起きると、地下水の流れが変わる例が、あちこちで報告されている。そういうもの(群発地震)で、出てきたということかもしれません」
気象庁によりますと、震源近くの活火山「焼岳」の活動に異常はみられないということです。今後、地震は続くのでしょうか。
山岡教授:
「(今回の地震は)飛騨山脈地域で起きた、最大クラスの地震ということですので、このような(M5以上の)地震が、ひょっとしたら、もう一回くらい起きるかもしれませんし、もうしばらく小さい地震を含めて警戒していく必要がある」