“30歳で結婚”って本当に平均的なのか? (R25)

厚生労働省の人口動態統計によれば、2008年の平均初婚年齢は、男性30.2歳、女性28.5歳でした。およそ30年間で男女ともに3歳ほど上昇していることになりますが、これだけ晩婚化・非婚化が叫ばれているわりには意外と低い年齢に落ち着いているというか、上昇率そのものは小幅に思えます。
ちなみにぼくは31歳の独身男ですが、同年代の友人知人を見てもまだ既婚者は多数派とはいえず、40代はおろか50代で未婚の方も少なからず存じ上げています。なので、「男性の平均初婚年齢が30歳」と聞いて若干のプレッシャーを感じつつも、「本当にみんなそんなに早く結婚してるのかな?」みたいな違和感も少々。もちろんこれはぼく個人の交友範囲での話ですが、読者のみなさんのなかにも実感と統計数字とのズレを感じた方がいらっしゃるのでは? このズレのもとを探るには、データの中身、すなわち平均初婚年齢を計算する際の母集団に目を向ける必要があります。
平均初婚年齢というのは、全国各地の役所に提出された婚姻届をもとに算出されます(再婚者は含まれない)。つまり、この統計はその年に結婚した夫婦が母集団となっており、当たり前といえば当たり前ですが、まだ結婚していない人たちはまったくの蚊帳の外。高齢の独身者がどれだけ増えても、平均初婚年齢には微塵も反映されません。では、その結婚していない人はどのくらいいるのか。
総務省が行っている国勢調査によると、05年度の未婚率(15歳以上人口)は男性30.9%、女性 22.7%でした。R25世代を見てみると、男性25~29歳で71.4%、同30~34歳では47.1%となっています。また、生涯未婚率(50歳の時点で1度も結婚したことのない人の割合)は男性15.4%、女性6.8%で、男性の場合7人に1人は一生独身という、なかなか厳しい数字が出ています。この生涯未婚率は、1960年までは男女ともに2%未満でしたから、特に男性の非婚化が急激に進んでいることがわかります。
「平均」という字面と数字だけ見ていると、なんだか世の中の男性がみんな30歳前後で結婚しているかのように錯覚しちゃいますね(ぼくのように)。でも、その裏で未婚者の割合は跳ね上がっているのです。
(R25編集部)

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