3,000万円の家を買える人の年収と住宅ローンの返済金額はいくら?

家は人生で最も大きな買い物の一つです。また家を購入するにあたり、住宅ローンを利用する場合は、借りられる金額に上限があるため、収入によって購入できる家の金額は異なります。では、3,000万円の家を購入するためには、どのくらいの年収があればよいのでしょうか。

今回は、3,000万円の家を購入するために必要な年収はいくら以上なのか、3,000万円の住宅ローンを組んだ場合の毎月の返済額、住宅ローンを組むための最低限の年収と無理なく購入できる年収を紹介します。また、3,000万円の家を購入する際に気を付けるべきことについても解説するので参考にしてください。

3,000万円の住宅ローンを組むと返済金額はいくらになる?

3,000万円の家を購入する場合、毎月の住宅ローンの返済額はいくらになるのでしょうか。

頭金なしのフルローンで組んだ場合と、頭金を2割準備する場合の2パターンで、毎月の返済額をARUHIの住宅ローンシミュレーションを利用して計算してみましょう。

シミュレーションにおいては、以下を前提条件とします。
・35年ローン
・ARUHIフラット35(新機構団信あり)を利用
・ボーナス返済はなし
・借入金利は2023年4月の実行金利を適用

ARUHIフラット35(新機構団信あり)は、融資額が9割以下か超かで適用される金利が異なります。融資額が9割超となるフルローンだと、頭金2割を準備する場合と比べ、適用される金利が0.14%高くなります。

その結果、毎月の返済額の差は2万1,267円、総支払利息の差は293万2,197円と大きな開きがでることがわかりました。

フルローンでももちろん住宅ローンを利用できますが、毎月の返済額が大きくなることを考えると、無理のない範囲で頭金を用意するのがおすすめです。

3,000万円の家が無理なく買える人の年収とは?
毎月無理なく返済できる金額の目安は、返済負担率(返済比率)20%といわれています。

返済負担率とは、年収に占める年間のローン返済額の割合のことで、住宅ローン以外のカーローンや教育ローンなども含まれます。

先ほどシミュレーションした結果によると、フルローンで利用した場合の年間返済額は9万7,846円×12ヶ月=117万4,152円です。住宅ローン以外の返済がないと仮定すると、無理なく返済できる年収は550万円〜600万円程度となります。

もし頭金を2割準備できるなら、年間の返済額は7万6,579円×12ヶ月=91万8,948円なので、無理なく返済できる年収の目安は450万円程度になる計算です。

ただし、ここで算出した金額はあくまでも住宅ローン以外の借り入れがない場合を想定しています。そのため、今後のライフプランにおいて車の購入や教育資金の準備などを考えている場合は、目安をより高く見積もる必要があります。

無理なく返済できる年収ぎりぎりまで借りるのはできるだけ避け、余裕を持たせておくことを意識しておきましょう。

3,000万円の家を買うのに最低限必要な年収とは?
年収300万円でも頭金を2割程度準備すれば、2,400万円の住宅ローンを組める金融機関が見つかる可能性もあります。しかし、年収が300万円で2,400万円の借入をすると返済負担率が約30%となり、返済が困難になるばかりでなく、最終的に購入した家を手放さなければならない事態(住宅ローン破綻)にも陥りかねません。

ちなみに年収300万円で2,400万円の住宅ローン(35年ローン、頭金2割)を組んだときの返済負担率は30.6%ですが、年収400万円で3,000万円のフルローン(35年)を組んだ場合も、返済負担率は29.3%と同等のリスクがあると考えられます。

家を購入する際には、家の購入代金以外にも不動産会社に支払う仲介手数料のほか、住宅ローンを利用する際の融資事務手数料など、さまざまな費用が発生します。それらの諸費用の負担を加味するなら、3,000万円の家を購入するのであれば頭金を2割準備する場合で年収400万円、フルローンなら500万円程度はあったほうがよいでしょう。

3,000万円の家を買いたい人が気を付けるべきこととは?

少し無理をしてでも3,000万円の家を購入したいと思うなら、リスクを最小限に抑える必要があります。

ここではそのために注意すべきポイントについて解説します。

年収が足りないなら頭金を多めに準備しよう
頭金を2割、もしくは3割と多めに用意できるなら、その分返済負担率が下がり、住宅ローン破綻のリスクを軽減できます。

ただし、頭金を用意する際には預貯金すべてをあてるのではなく、生活防衛資金として毎月の生活費の最低3ヶ月分、余裕を持たせるなら6ヶ月分は預貯金で残しておいてください。

家を購入するときは、頭金とは別に諸費用の支払いに対する準備もしておかなければなりません。より多くの頭金を用意するためには、家計の見直しも必要になるでしょう。

家計は固定費から見直すのがポイントです。固定費は毎月同じ額発生するものなので、一度見直すせば削減効果が持続します。通信費や水道光熱費、保険料などから取りかかってみましょう。

一人分の収入で返せる範囲内で住宅ローンを組もう
希望借入額に対して年収が足りない場合の対応策として、ペアローンや収入合算などの方法もあります。

ペアローンとは、夫婦それぞれが住宅ローンの主たる債務者となって融資を受ける方法です。共働きの夫婦であれば、それぞれの収入に応じた借り入れができるため、一人分の収入で申し込むよりも多額のローンを組める可能性があります。

ただし、ペアローンの場合は住宅ローン契約が2本となるため、諸費用も2人分かかる点やお互いがお互いの連帯保証人になる点に注意が必要です。

収入合算とは、夫婦の収入を合わせて住宅ローンを申し込む方法で、申込者はあくまでも1人です。そして、合算した側は申込者の連帯保証人となります。

ただし、ペアローンや収入合算を利用して希望する金額を借り入れることができたとしても、その分毎月の返済額が多くなります。出産や育児休業を取得している間の収入減や、今後必要となる子どもの教育費用の準備なども想定しながら、1人分の収入で返済できる範囲で住宅ローンを組むようにしてください。

計画的に繰り上げ返済をして金利負担を軽減させよう
3,000万円の住宅ローン(返済期間35年・フルローン)を組んだ場合の総支払利息は、1,109万5,123円です。借入金額の実に3分の1を利息として支払うことになります。

利息を削減する方法として有効なのが、繰り上げ返済の利用です。臨時収入があったときや貯蓄に余裕ができた際に、毎月の返済とは別にまとまった額を返済します。繰り上げでの返済はすべて元本部分にあてられるため、その分利息負担削減効果が見込めます。

特に、完済予定年齢が退職予定後になる場合は、できる限り繰り上げ返済を利用し、完済時期を早めることを検討しましょう。

まとめ

年収が600万円程度あれば、3,000万円の家をフルローンで購入しても住宅ローン破綻などのリスクは低いでしょう。
年収が足りない場合は頭金を2割、3割と増やすことを検討しましょう。

大切なのは「借りられる金額を借りる」のではなく、「無理なく将来にわたって返済できる額を借りる」ことです。

住宅ローンを組む際には、無理のない返済計画を立てるようにしましょう。

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