人生の中間点、給料の差は業種や企業によって大きく開きます(写真:manoimage / PIXTA)
10月26日に配信した「40歳年収『全国トップ500社』ランキング」には多方面から反響が寄せられた。40歳といえば、社会人としても人生としてもちょうど中間点。1000万円を超えるような高給をうらやんだ読者も少なくなかったようだ。
今度は、上場企業(約3600社)を対象に推計した40歳年収の全国ワースト500社ランキングを紹介する。10月25日に配信した「30歳年収『全国ワースト500社』ランキング」の40歳版となる。
企業や読者の一部から「トップ500でランキングをすると、まるで500位が低いように見える」「給料の高い会社ばかりではなく、高くない会社の情報も知りたい」という指摘があり、それに応える狙いもある。
単体の従業員数が20人に満たない場合や平均賃金の発表がない企業は集計対象から除いた。有価証券報告書(2015年6月期~2016年5月期)の公開データと、厚生労働省が調査・公表している「平成26年賃金構造基本統計調査」を基に試算した。業種分類ごとに賃金カーブを算出し、それを各企業の平均年収と年齢に当てはめて試算した。あくまで理論的に割り出した推計値ながら、一定の目安となるはずだ。
グループ企業については、全体で連結ベースの年収を算出するのがベストだが、基データとして使用している有価証券報告書のデータが単体会社のものであるため、単体の年収数字となっている。また、純粋持ち株会社は本社の中枢機能を担う社員のみで成り立っているケースが多く、年収が製造現場などの実態より上振れる傾向にある。こうした純粋持ち株会社について、原則としてランキングの対象から除外していることも、併せてお断りしておきたい。
あくまで理論値ながら300万円未満は10社
利益率の高くない事業を手掛けていたり、業績が苦しかったりと給料の高くない事情はそれぞれだ。あくまで理論値にすぎないことを断ったうえで集計すると、40歳推計年収が300万円未満だったのは10社、400万円未満は151社となった。
ただ、会社によっては専門職や定年後の再雇用社員などを集計対象に含み、平均年収や平均年齢との関係から、いわゆる正社員の平均的な実態と乖離がある場合もありうる点には注意いただきたい。東名阪などの大都市に本社を置きながらも全国に幅広く展開していたり、大都市以外の特定地域に製造拠点が集中していたりする企業では、地方の安い給与水準に全体が引っ張られているようなケースもある。
集計対象企業3205社を単純平均すると40歳推計年収は591万円、平均年収は590万円、平均年齢は39.8歳となった。