1975年生まれの女性(今年49歳)のうち、子どものいない人の割合は日本で28・3%に上り、先進国で最も高いとする調査結果を20日、経済協力開発機構(OECD)が発表した。49歳時点で子どもがいない割合は、生涯子どもを持たない割合とほぼ一致する。少子化は先進国共通の課題だが、日本は特に厳しい水準にあることが示された。
OECDが38の加盟国などを対象に、初めて出生動向に着目して調査・分析した。75年生まれで子どものいない女性の割合は日本が28・3%と最も高く、次いでスペイン(23・9%)、イタリア(22・5%)の順だった。55年生まれ(今年69歳)で子どものいない日本の女性は11・9%で、2倍以上に増えた計算になる。
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一方、1人の女性が生涯に産む子どもの数を表す合計特殊出生率は、2022年時点でOECD平均1・51。最も低かった韓国の0・78に対し、日本はスペイン、イタリアに次いで4番目に低い1・26だった。
OECDシニアエコノミストのウィレム・アデマ氏は「出生率が最も低い韓国は教育コストが高いために一人っ子が多いが、日本では子どもを持つと決めると2~3人持つことが多い」と日韓の特徴を比較。「日本の若者は男女とも、子どもを持つ前に仕事や住宅基盤を確立させたいと思っている。保育や育児休業を充実させ、男女ともに仕事を続けられるようにすることが、出生率の高まりにつながる」と指摘した。【黒田阿紗子】