Adobe、「We Love Apple」で反撃 創業者の公開書簡も

 米Adobeは5月13日(現地時間)、「We Love Apple」と銘打った広告キャンペーンを開始した。米AppleがiPhone向けアプリ開発からFlashを排除したことに端を発するAppleとの争いで、新たな反撃に出た形だ。
 米オンラインメディアのWired、TechCrunch、Engadgetなどに掲載されているFlashで作成された広告は「We Love(ハートマーク) Apple」で始まり、「われわれは、創造力を愛す 革新を愛す アプリを愛す Webを愛す Flashを愛す 300万人の(サードパーティー)開発者を愛す 健全な競争を愛す タッチスクリーンを愛す Open Screen Projectのパートナーを愛す HTML5を愛す 1回でオーサリングが済む方法を愛す すべての端末を愛す すべてのプラットフォームを愛す」と続き、「愛さないのは、誰であれ創造すること、創造する方法、Webでの体験を選択する自由を奪う者だ」という文言と同社のキャンペーンページ「Freedom of choice」へのリンクで終わる。
 キャンペーンページには「われわれは選択を愛す」とあり、Adobeのオープン性重視の姿勢や、Flash技術がいかに業界に受け入れられているかを説明している。
 さらに、共同創業者で会長のジョン・ワーノック氏とチャールズ・ゲシキ氏による「オープンな市場に関する考察」と題する公開書簡を掲載した。両氏も Adobeが一環してオープン性を重視していることを強調し、初期の製品であるPostScriptやPDFの仕様を公開したことを説明。Adobe Flash技術についても仕様を公開し、誰にでも独自のFlashプレーヤーを作れるようにしているが、同社の絶えざる革新でFlash技術は常に市場のリーダーであり続けているという。両氏は書簡を以下のようなAppleへの懸念で締めくくっている。
 「Appleは、われわれと対極のアプローチをとることにより、Webの次章--モバイル端末がPCを超え、個人による出版が可能になり、コンテンツをいつでもどこからでも閲覧できる世界--を台無しにしかねない道に踏み出した。
 われわれは『インターネットを支配するのは誰だろう?』と考える。そして、その答えは『誰でもなく、すべての人であり、もちろん1つの会社ではない』であると信じる」

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