コナミスポーツクラブのCMが「耳に残って離れない」と話題になっている。
4月4日から放送された同CMは、彫刻のキャラクターが音楽に合わせてダンスするもの。90年代にヒットした『Gonna Make You Sweat (Everybody Dance Now)』(C+C Music Factory)の替え歌で「コナミでエクササイズ♪」と歌い、ビーナス像やダビデ象などがユーモラスにトレーニングしている。
ネット上では「頭から離れんくなってもた」「ダメだ耳から離れない 映像も見えてしまう」「家でずっとおかんと弟が 『コナミでエクササイズ!』って歌っててうるさいww」などと、同CMにハマっている人が続出している。
そこで同CM制作者に、CMの戦略を取材してみた。
CMプランナーの岡部将彦さんは、「コナミスポーツクラブの強みはメニューの豊富さ。そのためCMで狙うのも多様なターゲット層のため、均整な体型の美男美女をモデルにしたCMでは、なかなか“自分ゴト化”してもらえない恐れがあると考えました。とはいえ、少し太った男性などリアルな人間だと、あまりCM的にチャーミングではありません。
人間ではないアイコンが必要だなと考えたとき、インストラクターの方の『自分のカラダの足りない筋肉を意識して、彫刻を彫るようにカラダをデザインする』という言葉を思い出しました」と、CMの企画が生まれた経緯を明かしてくれた。
さらに、映像作りにあたっては、「このCMは伝えるべき情報量がとても多いCMでもあり、それだけで視聴者の方にシャットアウトされてしまう懸念もあります。そこで、今最も注目を集める映像作家である田向潤氏に演出を依頼し、多い情報量でも何度も見たくなって、なおかつ一緒にカラダを動かしたくなるような演出をお願いしました」という。
今回、田向さんにも、同CMの演出の狙いについて取材をした。
田向さんは、きゃりーぱみゅぱみゅの『つけまつける』『PONPONPON』(ワーナーミュージック・ジャパン)他や、SEKAI NO OWARIの『RPG』『スノーマジックファンタジー』(トイズファクトリー)などのミュージックビデオを手掛け、2013年度Youtube音楽動画再生回数ランキングの上位を独占、「SPACE SHOWER MUSIC VIDEO AWARDS」の年間最優秀ディレクター賞「BEST DIRECTOR」を受賞している。
田向さんは「とにかく“生理的に気持ちが良いこと”を大きな方針として制作しました。彫刻の動きはもちろん、文字の動きや背景の幾何学模様にいたるまで、1フレーム(30分の1秒)単位で調整し、気持ちの良い音楽との当たり方やリズムを追求しました」と、演出のこだわりを明かしてくれた。
ダンスシーンについて「彫刻の動きは、コナミスポーツクラブのトップインストラクターの方がモデルになっています。インストラクターの方に、実際に音楽に合わせて何十パターンものエクササイズやダンスをしていただき、その中から特に映像的に気持ちの良いものを探りながら動きを決定し、CGのベースとしています」という。
ネットの反応を振り返ると、視聴者を引き付けるためさまざまな仕掛けが見事狙い通りだったことが分かった。同CMは同社のサイトで公開中のため、ぜひ映像演出にも注目してほしい。
【参照サイト】
コナミスポーツクラブ
http://www.konamisportsclub.jp/
キャンペーンサイト(動画有)
http://www.konamisportsclub.jp/campaign/201404/