過剰な清潔、幼少期には逆効果!?
テーブル除菌、風呂釜洗い、まな板除菌、消臭除菌…テレビでは最近なにかと、菌の残留を気にするCMが流れている。
確かに、夏は食中毒なども発生する時期で、広告投下も多くなるだろう。食品衛生的には、除菌消毒系の商品を利用すること自体は、むしろ薦められることだ。
しかし、CMの中ではあざとい描写が見られる。それは、食品、子ども、風呂、テーブルなどに残留した菌(うねっている)をイメージ画像として重ね ることだ。これ、何かおかしいと思わないだろうか。実際に菌がいるのは確かだが、特に子どもへゾッとする映像をかぶせ、精神的なゆさぶりをかける。親の本 能的な危機感を煽ることで購買につなげようとしているわけで…。
心理学を広告宣伝に活かしているといえば聞こえはいいが、これらを特に外資系の企業がこぞって流しているのは、日本の広告規制の緩さなのだろうか。あまり気持ちのよいものではない。
実際には、子どもをあまりに菌に抵抗力のない状態で育てることはよくないという説もある。2012年3月22日、科学誌サイエンス電子版にハー バード大学のトーステン・オーザック氏が発表したデータによれば、無菌状態のマウスと腸内細菌のいるマウスのアレルギー性疾患へのかかりやすさを調べたと ころ、腸内細菌のいるマウスはアレルギー性喘息、アレルギー性腸炎になりにくかったとか。
この実験で全てが解明されたわけではないが、(特に幼少期)ある程度、自然な菌に触れることは大切。過度な除菌は、免疫バランスを知らず知らずに崩していることも。
除菌商品使用に一律に問題があるわけではないし、適度な除菌は必要ではあるのだが、広告が煽りすぎているのは事実。小さい子どものいる環境では、あまり敏感に除菌ばかりしすぎないようには気をつけたい。