毎年恒例となった「CMに使いたいタレント・使いたくないランキング」を、今年も「FRIDAY」(講談社)が独自に発表した。テレビ、新聞、ラジオ、雑誌に広告出稿しているクライアント200社の広告担当者に聞いた本音で、企業がCMに使いたい女性タレントは誰なのか? まずはCMに使いたい女性ランキングからチェックしてみよう。
★CMに「使いたい女」ランキング
順位・名前・CMギャラ(推定)・主な契約CM
1位 浅田真央 8000万円 森永製菓
2位 綾瀬はるか 5000万円 KFC
3位 宮崎あおい 5000万円 アフラック
4位 蒼井優 3500万円 JRA
5位 佐々木希 2500万円 ロッテ
6位 仲間由紀恵 6000万円 サッポロビール
7位 堀北真希 3500万円 富士フィルム
8位 相武紗季 4000万円 NTTコミュニケーションズ
9位 壇れい 2500万円 サントリー
10位 宮里藍 5000万円 三菱電機
バンクーバーオリンピックでの活躍の記憶が新しい真央ちゃんが1位なのは納得。2位以下も人気の若手女優陣がズラリと並んでおり、比較的お手ごろ価格のギャラも相まって、企業のイメージガールとして人気のようだ。一方、意外にもCM女王の上戸彩や新垣結衣の名前がない。また推定ギャラ1本1億円(年間契約料)の吉永小百合の名前もないのだが……。記事によれば、「上戸彩は(CMに)出過ぎだと判断された」(マーケティング会社幹部)のだという。
確かに上戸はCM出演数14本以上と契約本数トップで、これから契約しても企業のイメージキャラに定着させるのが難しい。どうしてもソフトバンクの「お父さん犬の娘」というイメージが強いからだ。ガッキーも今年春から東京メトロのCMが決まり、東京近郊では地下鉄の駅が彼女のポスターで埋め尽くされている。これでは他のメーカーのイメージキャラに就任したとしても、印象は薄れてしまうだろう。吉永などの高額ギャラタレントも、このご時世ではなかなか手を出しづらい。テレビ番組などでも大物タレントがリストラされており、不況が続く限りしばらくこの傾向は続きそうだ。
ちなみに、ビデオリサーチ社が毎年2回行っている「テレビタレントイメージ調査」の最新結果が3月末に発表されたが、こちらではなんと「DREAMS COME TRUE」の吉田美和がナンバーワンに君臨。アンケート対象がまったく異なるがゆえの結果ではあろうが、企業と購買層・視聴者との意識の乖離が見てとれて興味深い。
★テレビタレントイメージ調査 女性タレント人気度上位20
1位 DREAMS COME TRUE
2位 浅田 真央
3位 ベッキ-
4位 天海 祐希
5位 吉永 小百合
6位 上戸 彩
7 位 菅野 美穂
8位 綾瀬 はるか
9位 松嶋 菜々子
10位 黒木 瞳
さて、「FRIDAY」にしろ、ビデオリサーチ社のランキングにしろ、すでにメディアでの活躍ぶりが目立つ女優陣ばかりがノミネートされているが、ここで惜しくもランク外ながら、メンズサイゾーイチ推しのタレントを2人紹介したい。
まずは”まいんちゃん”こと福原遥!! 現在は「森林との共生」(静岡県内民放4局)のローカルCMのみだが、過去にはエポック社やタカラトミーの子ども向けオモチャのCMなどにも出演している。彼女の場合、子ども向けのCMだけでなく、大きいお兄ちゃん向けのCMにも絶大な効果を発揮することが期待できる。二人目は声優の平野綾だ。彼女は任天堂「ポケットモンスター 金・銀」や角川書店「涼宮ハルヒの激動」に出演し、涼宮ハルヒの声でロッテのCMにも出演しているが、未だにオタク向け商品の域を出ないことが残念。まいんちゃん同様、独身男性向け商品はもちろん、女性向けの商品でも支持も得られそうな容姿の持ち主であるため、女子高生をターゲットにした商品で「ツンデレキャラ」を演じれば、大ブレイクする可能性も。
閑話休題。続いては、「FRIDAY」掲載の使いたくない女性タレントのランキングについて考察したい。
★CMに使いたくない女性ランキング
順位・名前・CMギャラ(推定)・主な契約CM
1位 酒井法子 取引停止 ―
2位 沢尻エリカ 3000万円 たかの友梨ビューティクリニック
3位 藤原紀香 3000万円 月桂冠
4位 久本雅美 2000万円 エスフーズ
5位 神田うの 2000万円 エバーライフ
6位 上野樹里 3000万円 大和ハウス
7位 広末涼子 4000万円 興和
8位 ICONIQ 1500万円 資生堂
9位 土屋アンナ 2000万円 KDDI
10位 木下優樹菜 2000万円 明治製菓
芸能界を激震させる薬物事件を起こしたのりピーのトップ当選は分かりやすいとしても、『のだめカンタービレ!』(フジテレビ系)ですっかり人気者となった上野樹里や広末涼子など、意外な顔ぶれも並ぶ。そこには一体どんな理由があるのか。
のりピーのように犯罪がからむ者は言うまでもないが、広告業界においては事務所やメディアとのゴタゴタも非常に印象が悪い。沢尻エリカや眞鍋かをり、小倉優子などもこれに当たる。離婚も印象が悪く、藤原紀香などは大きくイメージを落としたようだ。広末も清純派時代の奇行癖でイメージダウンし、さらにデキ婚・離婚を経験したことで評判を落とした。だが、そこを逆手にとってのコカ・コーラ「からだ巡茶」のCM”広末浄化計画”は、いい意味で話題となった。
一方、ヤンキーキャラの木下優樹菜や土屋アンナ、ランク外だがあびる優などもCMには使いづらいとされているようだ。同性には比較的受け入れられている彼女たちだが、いつスキャンダル(過去も含め)が飛び出すか分からないタレントは、やはり扱いに困るということだろう。
8位のICONIQは、代理店からゴリ押しされる新人タレントのケース。CMはもちろん、雑誌の表紙などで大々的に売り出しても、興味を持ってネットで調べたら、すぐに正体がバレてしまう。不買運動が起こったり、クレームが来ることも多いようで、イメージが一番大事な企業にとって、使いたいタレントとは言えない。
最後は宗教がらみ。テレビ局の楽屋でも勧誘して問題になったこともあるそうで、これから参院選がスタートすると応援演説などに駆り出される可能性もあり、敵対団体からクレームや不買運動が起こることもある。これまた慎重にならざるを得ない。
最後に、6位にランクインしている上野樹里だ。大和ハウス以外に、今年だけでもアサヒビール「チューハイ果実の瞬間 ジャポーン篇」、オリックス生命「がん保険Believe クイズ篇」などに出演。昨年は資生堂「MAQuillAGE」でも美女四人衆の一人として出演しており、なぜ不人気なのか解せない。『のだめ』の主演・野田恵役はすっかりハマり役だし、来年のNHK大河ドラマ『江~姫たちの戦国~ 』には江役で主演。まさにトップ女優として活躍中だ。
「週刊誌でも報じられたことがありますが、上野は以前、ある通信会社と一悶着あったんですよ。その企業のCMに、彼女がイメージキャラクターとして起用されることが決まっていたのですが、結局降ろされてしまったのです。打ち合わせでの彼女の生意気な態度に代理店や制作サイドがキレ、CM契約が飛んでしまったそうで、しかもそのとき一回だけの話ではなく、それ以前にも似たような出来事があったのだとか。こういう評判はすぐに伝わるため、企業側も起用に二の足を踏んでいるのだと思います」(芸能記者)
彼女以外にも「人気女優なのにCMが少ないな、なんでだろう?」というタレントがいたら、こうした裏があるのかもしれない。
(文=高田コウイチロー)