0年近くジャニーズのタレントがスペシャルサポーターを務めていたバレーボールW杯からジャニーズのタレントが締め出されたことで、テレビ&広告業界の“ジャニーズ離れ”は今後進むのか。
今月24日からは、国連人権理事会の「ビジネスと人権」作業部会が来日し、当事者へのヒアリングなどの調査を開始。各国の人権侵害に改善を促す専門家による実態把握が始まる。来日するのは作業部会のメンバーのうち2人。最終日の8月4日には記者会見を行い、来年6月の国連人権理事会で調査結果を報告するというから、国際社会の厳しい目が向けられることになる。さる広告関係者はこう話す。
「勧告が出されたら、国際的な非難を恐れ、特に世界的な展開をしている企業からジャニーズのタレントのCM起用に二の足を踏むことになるだろう。それを待たずして、長年、ジャニーズと契約していた企業も、リスクヘッジで、契約を更新しないという“ステルス降板”という例も増えてくると思います」
■資生堂にムヒも…大手企業のリスク管理意識
週刊文春は木村拓哉(50)の資生堂のメンズ化粧品のCM起用が直前になって白紙になったと報じている。記事によれば、資生堂は海外での売り上げが7割を超えており、リスク管理意識が高いため、現状で契約をするのは危険という判断をしたという。
一方、かゆみ止め薬の「ムヒ」を発売する池田模範堂は、「ムヒ」のイメージキャラクターを、2010年から21年2月まで相葉雅紀、その後はキンプリの平野紫耀が務めていたが、5月末から、スターダストプロモーション所属の中川大志に切り替えたことで、ネット上で臆測が広がった。
広告に支えられているテレビ業界にもジワリ影響が
それに対して地上波テレビの“ジャニーズ頼み”の体質は今のところ変わっていない。夏の大型音楽番組では、「FNS歌謡祭 夏」(フジテレビ系)は相葉雅紀が、「THE MUSIC DAY」(日本テレビ系)は桜井翔が司会を務め、ジャニーズのタレントが大量に出演。
「それSnow Manにやらせて下さい」(TBS系)など冠番組も変化なし。2000年の「V6」から、ジャニタレをメインパーソナリティーとして起用し続けている「24時間テレビ 愛は地球を救う」(日テレ系)は今年は「なにわ男子」がメインパーソナリティー。
さる日テレ関係者が声を潜めてこう話す。
「視聴率や物販など、営業的な判断により、現在のところ変更などの予定は全くない。むしろ他局とは逆に、うちはジャニタレを積極的に使っていこうという機運もあるようだ。ただしスポーツの国際大会やCMなどでジャニーズ排除の動きが進んでいくと、スポンサーの意向も出てくるだろう。今回、バレーボールW杯でジャニタレの起用をやめたことの影響は大きく、そうした流れが加速する可能性はある」
広告業界やそれに支えられているテレビ業界のジャニーズ離れは、静かに進んでいくかも知れない。