EU新規則。スマホの電池「簡単に交換可」義務化へ

 EUは、将来的に圏内で販売されるバッテリーを搭載した製品について、設計、生産、廃棄物管理等に関する新しい規則を承認しました。

 6月14日付で公開された欧州議会のプレスリリースによれば、この規制によって、主に以下の措置が予想されるとのこと。

  • 家電製品のバッテリーは、ユーザーが簡単に取り外しおよび交換できるように設計を義務付け
  • EVおよび軽輸送手段(電動スクーター・自転車等)、および産業用バッテリーに、二酸化炭素排出量のラベル表示。また、どのように作られたかなどを示す「バッテリーパスポート」の導入
  • 廃バッテリーから回収する各金属の段階的な増加。ニッケルは2031年までに95%を回収することを目標にする
  • バッテリー新造時、廃棄済みバッテリーなどから回収した材料の割合の増加

 仮に施行された場合、弊誌読者が最も影響を受けるのは間違いなく一つ目の条項。当然ながら、バッテリーを交換できるようにするということは、取り外しのための機構を用意する必要があり、バッテリー容量の低下や本体厚みの増加が懸念されます。

 市販の工具で簡単に交換できることが求められるため、将来のiPhoneは、その美しい背面の一部にぽっかりとバッテリー交換用のフタがついている可能性すらあり得てしまいそうなところ。

 現時点で、バッテリーを容易に交換できるスマートフォンは、ユーザーがバッテリーに限らず様々な部品の購入・交換が容易に行えるFairphoneや、NokiaとiFixitが提携した「Nokia G22」など、指で数えられる程度の圧倒的マイナーな存在。「USBポート周辺を引き抜いたら交換できる高密度バッテリーパック」みたいなものが登場しない限り、少し厳しそうにも思います。

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