23日、日本EVクラブ製作による電気自動車(EV)が、茨城県下妻市にあるオートレース選手養成所のオーバルコース(1周689m)を 1456周して1003.184kmを走行、EVによる1充電航続距離の世界新記録を達成した。同クラブは、この記録をギネスに申請する予定。
EV による最長航続距離は、日本EVクラブがギネス認定を受けた、09年11月実施の東京 – 大阪を走行した距離555.6kmや、市販モデルを使用したものとして09年10月にテスラモータース『ロードスターEV』が達成した501kmなどがある。
今回のチャレンジは、同クラブの記録を超える1000km走破を目指して22日の午前11時にスタート、日本EVクラブ代表の館内端氏を含める17名が途中ドライバー交替を繰り返しながら、およそ27時間半後となる23日午後2時17分に1000kmの走破を達成した。
チャレンジに使用した車両は、通常のエンジン車をEVに改造した『ミラEV』で、電池は前回チャレンジと同じ電池容量のリチウムイオンバッテリーが搭載されている。 1000kmの走破を目指すなか、公道での挑戦では600kmが限界とされサーキットを使用、車両の走行抵抗低減やドライバーによる省エネ運転が、今回の記録達成のカギとなった。
チャレンジ開始後の天候は曇り、気温の上昇が抑えられクルマやドライバーには優しい状況で、通常のクルマの燃費にあたる「電費」も良好であった。終盤に雨がパラパラ降り始めたが、雨脚が強くなったのはアンカードライバーを務めた館内氏がゴールしてからで、天候には恵まれていた。
ゴール後の記者会見で、館内氏は1000km走破達成に携わったスタッフに感謝の言葉を贈りつつ、2001年に製作した EVについて触れ、当時、航続距離100kmに満たなかった電池性能について、今回の1000km走破を可能とするその進化ぶりに、あらためて感動したようす。また、今後の活動として今回使用したミラEVを全国の人に見てもらう企画などを計画している。
レスポンス 椿山和雄