F1日本グランプリ決勝、フェルスタッペン選手がポール・トゥ・ウィン、レッドブル・ホンダRBPTがコンストラクターチャンピオンに

F1日本グランプリを優勝したマックス・フェルスタッペン選手(1号車 レッドブルレーシング・ホンダRBPT)

 FIA F1世界選手権 第17戦 2023 Lenovo F1日本グランプリが、9月22日~24日に鈴鹿サーキットで開催された。2023年の日本GPは9月22日(金)が4万2000人、9月23日(土)が7万9000人、9月24日(日)10万1000人。3日間の週末で22万2000人と、昨年比で111%の観客となった。

 14時にスタートが切られた決勝レースで優勝したのは、ポールからスタートしたマックス・フェルスタッペン選手(1号車 レッドブルレーシング・ホンダRBPT)。2位はランド・ノリス選手(4号車 マクラーレン・メルセデス)、3位はオスカー・ピアストリ選手(81号車 マクラーレン・メルセデス)。 レッドブル・ホンダRBPTはフェルスタッペン選手のチームメイトのセルジオ・ペレス選手(11号車 レッドブルレーシング・ホンダRBPT)がリタイアしたにもかかわらず、コンストラクター選手権のチャンピオンとなった。

 シングルグリッドの9位からスタートした角田裕毅選手(22号車 アルファタウリ・ホンダRBPT)は、最後のピットストップでチームメイトにアンダーカットされて12位。地元レースでのポイント獲得は2024年に持ち越しとなってしまった。

スタート直後に接触が発生

 鈴鹿サーキットがある三重県鈴鹿市の天候は快晴。スタート時の気温は27℃前後で、路面温度は45℃前後とやや熱め。このため、タイヤ劣化(デグラデーション)の影響が大きいと考えられていた。タイヤサプライヤーであるピレリのレース前予想では、1ストップないしは2ストップだが、3ストップもあり得るとなっており、タイヤをうまく使えるかどうかが今回のレースの鍵になりそうだ(結局は完走した全車が2ストップに)。

 13時45分からは航空自衛隊中部航空音楽隊演奏のもと、航空自衛隊航空中央音楽隊ヴォーカリスト兼ピアニストの森田早貴3等空曹による国歌独唱が行なわた。ブルーインパルスによるフライバイも行なわれ、グランドスタンドをはじめ鈴鹿に訪れた観客の興奮は頂点に達した。その後、14時からフォーメーションラップが行なわれ、決勝レースのスタートが切られた。

 気になるタイヤ選択は、上位勢は8位までがミディアムタイヤを選択し、9位の角田裕毅選手(22号車 アルファタウリ・ホンダRBPT)、10位のフェルナンド・アロンソ選手(14号車 アストンマーティン アラムコ・メルセデス)、11位のリアム・ローソン選手(40号車 アルファタウリ・ホンダRBPT)の3台がソフトタイヤを選択してスタートした。

 ポールポジションからスタートしたマックス・フェルスタッペン選手(1号車 レッドブルレーシング・ホンダRBPT)は、順当に1コーナーでトップに立つ。注目のマクラーレン同士の争いは、3位からスタートしたランド・ノリス選手(4号車 マクラーレン・メルセデス)が1コーナー前にオスカー・ピアストリ選手(81号車 マクラーレン・メルセデス)をオーバーテイクして2位に上がった。

 しかし、後方では混乱が発生。バルテリ・ボッタス選手(77号車 アルファロメオ・フェラーリ)が他車と接触してフロントウィングを破損し、パーツがコースに広がったため、セーフティカーが導入された。

 その混乱でボッタス選手、アレクサンダー・アルボン選手(23号車 ウイリアムズ・メルセデス)、ジョー・ガンユー選手(24号車 アルファロメオ・フェラーリ)、エステバン・オコン選手(31号車 アルピーヌ・ルノー)、さらにはセルジオ・ペレス選手(11号車 レッドブルレーシング・ホンダRBPT)もピットインしてフロントウィングを交換するなど、序盤から荒れ気味のレースとなった。

レースはフェルスタッペン選手がポール・トゥ・ウィン

 レースは5周目に再開された。フェルスタッペン選手は危なげなく再スタートを切り、2台のマクラーレンをリードし始めた。フェルスタッペン選手はあっという間に2位以下を引き離していった。

 13周目のヘアピンで、スタート後の混乱で順位を下げていたレッドブルのペレス選手は、ケビン・マグヌッセン選手(20号車 ハース・フェラーリ)と接触。再びフロントウィングの交換のためピットに入ることになり、上位争いから脱落した。その後ペレス選手はクルマをガレージに入れ、リタイアした。

 上位が1回目のタイヤ交換を終えると、トップは依然としてフェルスタッペン選手。2位はタイヤ交換のタイミングがVSC(バーチャルセーフティカー)になり大きく得をしたピアストリ選手、3位はノリス選手とマクラーレンの2台の順位が入れ替わった。

 フェルスタッペン選手はミディアムからミディアムへと交換したが、マクラーレン勢はミディアムからハードへと交換する。徐々にノリス選手がピアストリ選手に追い付くがオーバーテイクできず、ノリス選手はチームに対して「トップを狙うには順位を入れ替えることが必要だ」と訴える。しかし、ピアストリ選手は譲らず、ノリス選手は何度もチームに「なんとかしてくれ」と訴える。結局ピアストリ選手はチームからの順位入れ替え指示を受け入れて、ノリス選手に道を譲った。

 終盤、ピアストリ選手、ノリス選手、フェルスタッペン選手の順で最後のタイヤ交換を終えると、1位フェルスタッペン選手、2位ノリス選手、3位ピアストリ選手で、そのままゴールした。4位はシャルル・ルクレール選手(16号車 フェラーリ)、5位はカルロス・サインツ選手(55号車 フェラーリ)の追い上げをしのいだルイス・ハミルトン選手(44号車 メルセデス)。6位はそのサインツ選手となった。

 鈴鹿の結果、2位のメルセデス、3位のフェラーリに対して、今後のレースで獲得できるポイント以上の差をつけたことで、レッドブル・ホンダRBPTのコンストラクター選手権のチャンピオンが確定した。レッドブル・ホンダRBPTは2年連続でホンダのお膝元である鈴鹿サーキットでチャンピオンを獲得した。

日本期待の角田選手はレースペースがイマイチで、最終的に12位に

 日本期待の角田裕毅選手は、スタートでチームメイトのリアム・ローソン選手に抜かれて10位になっていたが、10周目にいち早くピットインを行ない、ミディアムタイヤに交換する。そのタイミングで、ローソン選手をアンダーカットし、順位を上げて前を追いかけ始める。

 アルファタウリの2台は淡々としたレースで、2台ともに10位前後を走る。しかし、今日のアルファタウリはレースペースがイマイチで、アロンソ選手、2台のアルピーヌに徐々に引き離されていく展開に。結局最後のピットストップをいち早く行なったローソン選手が、角田選手をオーバーテイクし、ローソン選手が11位、角田選手が12位となる。

 チームは角田選手のピットストップを引っ張り、その間にローソン選手の逆転を許すことに。しかし、終盤はタイヤがフレッシュな角田選手がローソン選手に追い付き、何度も追い越しを仕掛けるが追い越せない状況が続いた。

 最終ラップにはトップのフェルスタッペン選手に対して道を譲る必要があり、逆に差が開いてしまう。その結果最終ラップでも抜けず、ローソン選手11位、角田選手12位でゴールすることになった。

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