ウェブサイト内で音楽や動画などリッチコンテンツを表示できるAdobe Flash Playerには、悪意のある攻撃者によってPCを乗っ取られるほどの脆弱性の存在が判明しており、Googleでは広告やYouTubeでFlashの代わりにHTML5へ移行しています。さらに2016年第4四半期内に、ついにChrome上でもFlashを停止することが発表されました。
Flashは多くのウェブサイトで使われていますが、iPhoneではアプリ間のセキュリティ上の理由や、バッテリーを大きく消費するなどの理由から、iPhone向けのFlashは開発されていません。
さらに、HTML5のようなオープンソース技術がFlashに取って代わりつつあり、2015年12月にはAdobeがコンテンツ制作用ツール「Flash Professiona CC」を「Animate CC」に名称変更しています。
Googleは、2015年9月にリリースしたGoogle Chrome 45 安定版で、 サイト内の重要度の低いFlashを自動的に停止する機能を実装。さらに、動画やゲームなどの重要なコンテンツについても、2016年第4四半期中に Flashの動作を停止し、代わりにHTML5をデフォルト化してHTML5優先で表示する仕様に変更すると発表しています。
今後は、Flashが必要なサイトをChromeで開くと、初回閲覧時にユーザーがFlashの実行を許可するかどうかを選択する必要があります。2回目 以降はChromeに設定が保存され、選択画面は表示されなくなるとのこと。さらに、Chromeの設定画面から「常にFlashを許可する」 「Flashを実行するかどうかを毎回たずねる」「許可したサイトのみFlashを実行する」「Flashを許可しない」の4種類の設定からFlashの 表示許可について選択することも可能となっています。
また、Flash Playerのダウンロードリンクをクリックすると、ダウンロードが開始する前に「Flash Playerを許可するかどうか」をたずねる画面が登場するようになります。
ただし、YouTubeやFacebook、Yahoo.com、Amazon.comなど特定のトップ10サイトのみ、1年間はFlashが実行されるとのこと。日本ではニコニコ動画がFlashに依存しており、今後の対応が待たれます。