GWに大規模BBQの計画も 嫌われるリア充の象徴へ批判過熱か

ゴールデンウィークに突入したものの、全国的に外出自粛要請が出ている中で、BBQが開催されていると問題視する報告がネットに上がっている。

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 たとえば、東京と神奈川の境を流れる多摩川については「多摩川の公園めっちゃBBQしとるやん。立ち入り禁止にすればいいのに」「多摩川バーベキューしすぎだろ、警察は何をしてる?」「多摩川の河川敷でキャンプやBBQをしている人がたくさんいます。どうにかしてください」といったツイートが4月26日から29日までの間に投稿されている。

 また、イベントが趣味だという男性がゴールデンウィーク中の多摩川河川敷でのBBQ開催をネットで告知している。毎年100名以上参加しており、120人までは許容範囲とのこと。近くにスーパーがあるため“ドタ参加”も可能と呼びかけている。川崎市側で行うとされるため、これに対しては「川崎も感染者多いです。拡大リスク上げる行為」などとツイッターには注意喚起も書き込まれている。

 元々BBQについてネット上では嫌悪感を持つ人が一定数いることで知られている。ネットニュース編集者の中川淳一郎氏は、「BBQのイメージは“リア充の象徴”かつ“マナーの悪いバカの酔っ払い大騒ぎ”というものになっています」と語る。

 確かに河原やビーチでのBBQでは、大勢の人々がワイワイと大騒ぎしながら酒を飲んではしゃいだり、酔っ払った若者が川に次々と飛び込むなどの乱痴気騒ぎが展開されることもある。そして、空き缶やゴミ、さらには炭や挙句の果てには鉄板まで捨てられていたりもする。

 マナーの良い客や乱痴気騒ぎをしない客の方が多数なわけだが、なぜここまでイメージが悪くなったのか。中川氏は「こうした迷惑行為はメディアやSNSで『映える』ため、積極的に撮影をする傾向があります。最近のテレビの報道でもSNSでの画像投稿にしても『混んでいる場所』をわざわざ紹介し、皆で眉をひそめることがブームになっています。マナーの悪い一部の人間を晒すことが社会正義になっているのでしょうね」と語る。

◆岐阜でBBQをめぐり刺殺事件も発生

 中川氏がBBQが嫌われていると決定的に感じたのが、2017年5月、岐阜県瑞浪市で32歳の男性が自宅の庭で十数人でBBQをしていたところ隣人の男から「うるさい」などと言われて、その後男が自宅から包丁を持ち出して男性を刺殺した件だ。

 この時は被害者の兄がテレビの取材に登場し「うれしい時の絶頂のバーベキューでこんなことになっちゃった」と発言したことから「絶頂BBQ」や「絶頂バーベキュー」といった言葉がネットには登場した。この時、ネットの論調では被害者に同情しつつも住宅街で煙が出るうえに十数人という大人数でBBQをするのは近所迷惑である、と加害者に理解を示す声も多分に見られた。

「隣家の庭で十数人が酒飲んで大騒ぎしてりゃうるさくてかなわんだろうから文句のひとつも言いたくなるだろうよ」「まあ因果応報かなぁ来世では振舞いを正すことだね」などのほか、「気持ちの良い事件だなスカッとした」という書き込みまである始末だ。

 一方、最近のBBQ絡みの騒動でいえば、埼玉県さいたま市の市議会だより「ロクマル」の配布中止が決定したことが挙げられる。理由は、表紙が公園のような場所でBBQをする人々が描かれているため。4月24日の市議会で議員から「外出自粛要請が出ているなかでふさわしくない」と疑問の声が出て、27日に配布中止が決定した。

 しかし、これに対しては市の決定は過剰対応では、といった声の方が目立つ。61万2000冊の企画編集費と印刷費は約470万円だったというが「これを問題と指摘する奴が異常。費用請求すべし」という書き込みもある。

 これからGWが本格的に開始するが、BBQで多くの人が集まれば感染リスクの高い状態になるのは避けられない。中川氏は「BBQ叩きが今年は特に過熱するのでは?」と見ている。

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