HPがwebOS事業を打ち切り、PC部門の分離検討

 米Hewlett-Packard(HP)は米国時間2011年8月18日、モバイルプラットフォーム「webOS」の事業を打ち切る方針を発表するとともに、パソコンなどを手がけるPersonal Systems Group(PSG)に関する戦略的選択肢を模索していることを明らかにした。また、ソフトウエアベンダーの英Autonomyを買収する交渉に入っていることを認めた。
 webOSはHPが昨年米Palmを買収した際に獲得した事業。今年7月には、米Appleの「iPad 2」に対抗する製品としてwebOS搭載タブレット端末「HP TouchPad」を発売した(関連記事:HP、iPad 2対抗の「HP TouchPad」Wi-Fiモデルを7月に米国投入)。しかしTouchPadを含むwebOSタブレットやスマートフォンの開発を打ち切り、今後、webOSの価値を生かせる選択肢を検討するという。
 PSGについては分離独立(スピンオフ)あるいは他の取り引きを通じて別会社化することを検討しており、約12~18カ月以内に結論を出したいとしている。資金、リソース、管理能力を、より収益性の高い企業・官公庁向けソリューションに集中させることを目的に、根本的な再編計画を進める意向だ。
 Autonomyの買収交渉では、Autonomy株式1株当たり現金25.50ポンド(42.11ドル)の買収額を提示した。HPによればAutonomy取締役会はこの提案を承認しており、株主に対しても承認するよう勧告しているという。Autonomyは1996年に設立され、企業向けインフラソフトウエアを手がけている。世界に2万5000社以上の顧客を持ち、過去5年間に売上高は年平均約55%、営業利益は年平均約83%の成長率で拡大している。HPは年内の買収手続き完了を見込んでいる。
 またHPは2011会計年度第3四半期(2011年5月~7月)の決算を同日発表した。売上高は312億ドルで前年同期比1%増加した。会計原則(GAAP)ベースの純利益は同9%増の19億ドル、希薄化後1株当たり利益は同24%増の0.93ドルだった。PSGの売上高は前年同期から3%減少した。2011会計年度通期(2010年11月~2011年10月)の見通しについては、GAAPベースの希薄化後1株当たり利益の予測を3.59~3.70ドルに引き下げた。

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