ICT総研は、ソフトバンクとKDDIから発売された「iPhone 4S」など最新のスマートフォンを利用し、通信速度などを調査する「2011年下期 スマートフォン電波状況実測調査」を実施し、結果を明らかにした。
調査は、NTTドコモの「MEDIAS WP N-06C」、KDDI(au)の「iPhone 4S」「Xperia acro IS11S」、ソフトバンクモバイルの「iPhone 4S」「003P」、イー・モバイルの「S41HW」を利用して行われた。調査期間は10月19日~23日(一部は21日まで)で、首都圏、東海・関西、東北の全72地点でデータ通信速度が測定された。
調査結果では、5月に実施された前回の調査と比較し、ソフトバンクの速度に著しい改善が見られた。また、auは首都圏、東北の下り回線の速度でトップとなり、まだユーザーの少ないイー・モバイルのスマートフォンは東海・関西エリアで速度が突出する結果となった。
「iPhone 4S」の通信速度は、首都圏や東海・関西で、ソフトバンク版がau版を僅差で上回った。理論上は通信速度が優位に見えるソフトバンク版は、実測ベースではあまり差がないとしている。東北では、au版の速度が安定し、ソフトバンク版を大きく上回った。ソフトバンク版のみに絞ると、前回調査のiPhone 4と比較して、首都圏で大幅に速度が改善している。
調査ではこのほか、全体的に、Android端末の通信速度が「iPhone 4S」を上回る傾向にあることや、「iPhone 4S」ではYouTubeを視聴するまでの開始時間が速いという結果が得られ、動画視聴では強みを発揮するとしている。また、ドコモは全国的に安定した品質で、回線混雑時も高い動画(YouTube)接続成功率を記録した。