JR北上線全線、ただで乗れます 11月9~12日 JR東管内で初のキャンペーン

赤字ローカル線に位置付けられるJR北上線(北上-横手間)の利用者数を底上げしようと、岩手県北上市と岩手県西和賀町、秋田県横手市の沿線3市町とJR東日本などでつくる利用促進協議会は11月9~12日、北上線全線を無料で乗れるキャンペーンを実施する。無料乗車はJR東日本では初の取り組み。

乗車票を2万枚用意「利用促進につなげる」

 キャンペーンに参加するには乗車票が必要で、3市町の役所や有人駅、観光案内所で10月26~11月8日、事前配布する。計約2万枚を用意し、一人当たりの枚数制限は設けない。

 期間中は列車を2両に増やし、通常ダイヤで運行する。乗車票に年代や移動目的を尋ねるアンケートを添えて降車時に回収し、乗客のニーズや2次交通の必要性を分析する。

 沿線3市町で関連行事も開催する。西和賀町のほっとゆだ駅前では物産飲食ブースが出店。11、12の両日は町内の飲食店や商店で使える買い物券を配り、駅接続のバスを無料運行する。

 JR東日本盛岡支社によると、2021年度の北上線の赤字額は北上-ほっとゆだ間で9億7200万円、ほっとゆだ-横手間で5億2300万円。全線の1日当たりの平均通過人員(輸送密度)は22年度で250人。

 西和賀町役場で12日にあった記者会見で、協議会長の内記和彦町長は「普段乗る機会のない人も景色を楽しみ、鉄道や沿線エリアの魅力を再発見してもらうことで利用促進につなげたい」と述べた。

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