JR東が「びゅうプラザ」全店終了する理由

旅行販売ネット化、顧客接点型拠点に転換

 JR東日本は2022年3月末で駅窓口における旅行商品の販売を終了する。インターネット販売に特化して駅の旅行センター「びゅうプラザ」は全店で営業を終える。このうち25カ所程度を旅行商品を販売しない訪日客対応などの顧客接点型拠点(仮称)に転換する。旅行市場の変化を背景に、駅店舗の機能を見直し、個人のニーズに合わせた、新たなサポート体制を構築していく。

 JR東はチケットレス拡大を視野に、21年春にインターネット指定券予約サイト「えきねっと」を機能強化。22年春に予定する旅行業システム刷新では、交通と宿泊を選んで組み合わせるオンライン販売商品「ダイナミックレールパック」に特化して、仕入れ・販売システムを構築する。

 JR東の旅行商品はびゅうトラベルサービス(VTS)が企画。個人向けでは、移動と宿泊をセットにしたパッケージ商品を主力とし、びゅうプラザでパンフレットを使った営業を推進している。

 旅行市場は個人ニーズの細分化、オンライン旅行会社(OTA)の台頭や変動料金制の拡大で、大手は店舗からネットへと主力を移す傾向だ。

 JR東もネット移行を進める一方で、駅店舗を新たに、各個人に提供するMaaS(統合型移動サービス)をサポートする拠点と位置づけて、体制づくりに取り組む。

 顧客接点型拠点は、空港や都心部の訪日客対応、首都圏のシニア向け会員制割引「おとなの休日倶楽部」客対応、新幹線駅で観光客の旅先対応の3類型を想定している。

 びゅうプラザは12年3月末に137カ所あったが、現在は50カ所程度まで減った。28日に宇都宮駅、7月末に北上駅(岩手県)、8月末に首都圏7駅で閉鎖を予定。

 このほか年度内に数カ所閉鎖するほか、残るプラザも年度末をめどに、VTSに運営を移管させる。訪日旅行センターの拡大な ど顧客接点型拠点を試行しながら、22年3月までは営業店舗を一定規模維持する。

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