KDDIは、5月26日、映像・情報配信技術「MediaFLO(メディアフロー)」を用いた携帯端末向けマルチメディア放送サービス委託放送事業の新会社「メディアフロー放送サービス企画」を設立した。
携帯端末向けマルチメディア放送のサービス開始が予定される2011年度をめどに、サービス・事業計画を進める。
米クアルコムが開発した「メディアフロー」は、携帯端末に動画や静止画、音声、テキストなど、さまざまなコンテンツを配信する方式。リアルタイム配信のほか、端末がコンテンツを自動的に受信・蓄積し、利用者が好きなときに再生することができる。
マルチメディア放送は、端末にプッシュ配信するので、利用者がウェブ上でコンテンツを探す必要がなく、コンテンツを手軽に楽しめるのがメリットだ。受信できるデバイスは、スマートフォンをはじめとした携帯電話やモバイルPC、アップルのiPod/iPad、ポータブルナビゲーションなど。
メディアフロー技術を用いたサービスを提供するメディアフロージャパン企画の増田和彦社長は「ユーザーにとって、アクションを起こすことが不要で、今までコンテンツに触れられなかったユーザーを獲得できる」と新たな市場へ期待を寄せる。また、マルチメディア放送は「受信端末の普及がキーファクター」として、受信端末の開発・普及支援を表明した。
新会社・メディアフロー放送サービス企画の神山隆社長は、「マルチメディア放送サービスのビジネスモデルについて、コンテンツを無償で配信するほか、専門チャネルなどの有料ビジネスも考えており、セグメントしたターゲッティングを検討している」と説明した。
メディアフロー放送サービス企画には、テレビ朝日、スペースシャワーネットワーク、アサツー ディ・ケイ、電通、博報堂の5社が資本参加。事業化に向けては、コンテンツプロバイダやCE機器メーカーとの連携を図る。