LGBT報道めぐる「レズ」表現でお詫び 仙台放送「不快な思いをさせてしまった」

仙台放送(仙台市)が2019年9月16日に放送した、性的少数者(LGBT)関連のイベントについての報道をめぐり、同社は翌日の放送で「お詫び」した。

   同社の担当者は18日、J-CASTニュースの取材に対し、16日の放送でLGBTを説明する際に「レズ」という表現を使ったことをめぐり指摘を受け、「表現が不適切だったことについて(17日の)番組でお詫びした」と説明した。

「担当記者の認識不足で原稿を書いて、そのまま放送してしまった」

   問題となったのは、16日夕に放送されたローカルニュース番組中での報道。仙台放送は同日、仙台市内で開かれた当事者や支援者らによるイベントの様子を伝えた際、LGBTの説明について、「レズ・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダー」と表記するなどして放送した。

   LGBTなど性的少数者のための法整備を目指す全国組織「LGBT法連合会」では、3月に「LGBT報道ガイドライン」を策定した。同ガイドラインでは、「注意が必要な言葉や概念」の1つとして「レズ」をあげ、「レズビアンの短縮形だが、歴史的に侮蔑的な意味合いで使われてきたため避けるべき言葉」と注意を呼び掛けている。

   今回の放送後、ネット上でも「レズ」という表現をめぐり批判が集まっており、「未だにこうなのか」「TV局なら、用語のマニュアルくらいあると思うんだけど」などの声が上がっていた。

   J-CASTニュースが18日、仙台放送の広報部長に取材したところによると、16日の放送直後から、「レズ」表現に関する問い合わせや指摘があり、17日18時20分過ぎのローカルニュース番組で、同社のメインキャスターがお詫びをした。広報部長は「不快な思いをさせてしまったことをお詫び致しますという放送をさせて頂きました」と説明した。

   広報部長は、「担当記者の認識不足で原稿を書いて、そのまま放送してしまった。(原稿などの)チェックもしているが通ってしまった。今後、こういうことがないように、部として社として対応させて頂いた」と説明。記者は社内での聞き取りに対し、「表現の仕方が認識不足だった」と話しているという。今後の再発防止策として、「ガイドラインをすべての記者にメールで配布し、社としてもこういったことがないように周知徹底したい」としていた。

タイトルとURLをコピーしました