NHKがSTARTO所属タレント起用再開、紅白オファー高まる「これで終わったと考えてません」

NHKは16日、都内の同局で定例会長会見を行い、稲葉延雄会長が本年度見送っていたSMILE-UP.(旧ジャニーズ事務所)や、新会社「STARTO ENTERTAINMENT」所属タレントの番組起用再開の方針を明かした。今年大みそかの「NHK紅白歌合戦」についても出演オファーを行う可能性が高まった。 【一覧】STARTO ENTERTAINMENTの所属タレント  NHKは昨年9月、旧ジャニーズ事務所創業者ジャニー喜多川氏(19年死去)の性加害問題を受け、所属タレントへの新規の出演依頼を当面行わない方針を発表していた。同年末の紅白では第30回(79年)以来44年ぶりに同事務所タレント出演がゼロに。今年3月末をもって、既存番組への所属タレントの出演も基本的になくなった。民放各局が起用を継続、再開する中で、一貫して起用ゼロの方針を続けていた。  稲葉会長は会見冒頭でこの話題に自ら触れ「被害者への補償と再発防止への取り組みに加え、経営の分離も着実に進んでいることが確認できました。今日10月16日をもって制作現場の判断でSTARTO ENTERTAINMENT所属タレントへの出演依頼を可能とすることといたしました」と話した。  稲葉会長は起用にあたり、被害者への補償や会社のガバナンス体制、再発防止策の向上を求めていた。「これで全て終わったとは当然考えておりません。この問題をめぐって、マスメディアの沈黙という言葉があったようにNHKの対応は十分ではなかったと自省しています」と語り、「今後も放送業に携わるものとして職責をあらためて認識して、公共放送の役割を引き続き果たしていきたい。今後も両者とのコミュニケーションを続け、補償と再発防止の取り組みの進捗(しんちょく)状況を確認していきたい」とした。  稲葉会長は先月までの定例会見で同社の補償状況などについて「かなり進んできていると認識している」と一定の評価を口にしており、SMILE-UP.社の藤島ジュリー景子氏が関連会社4社の会長職を全て退任した際には「進展している。もう少し細部の判断をチェックしていきたい」と話したこともあった。

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