9日夜、NHKが報じたのが、2002年秋に音楽番組「ザ少年倶楽部」出演希望で、ダンス練習に参加していた当時高校生の少年に、故・ジャニー喜多川氏(享年87)がNHK局内のトイレで通算5回ほど性加害を行っていたというもの。NHKには“ジャニーズ部屋”なるリハーサル室が用意されていたことが発覚している。
ジャニー氏による性加害の多くは主に自宅兼合宿所や公演先のホテルなどで行われていたことになっているが、ジャニー氏は仕事の現場でも性加害に手を染めていたことになる。
ジャニー氏のトイレ性加害報道で思い起こされるのが、過去に告発された人気芸人がテレビ局内のトイレで情事を行っていたというもの。
「今から10年以上前に、現在も活躍する男性芸人がテレビ局内の身障者用トイレで、同局の女性スタッフと性行為をしていたというもの。その後、この芸人はチャリティー番組に出演し、障害者に寄り添い感動の声を集めていたことから、義憤にかられた関係者が局のコンプライアンス責任者に報告し、複数のマスコミにリークしたものの、取り上げたところはごくわずかでした」(芸能ライター)
SNSで情報が拡散される現在、発信されたものを揉み消すのは至難の業だが、過去には業界の力学によって“なかったこと”として闇に葬られた事案は決して少なくなかった。
「その芸人はテレビで絶大な力を持つ大手芸能プロに所属していることから、“揉み消された”というのが大方の見方でした。ジャニーさんのような性加害ではないものの、コンプラ的に今だったら大問題になっていたでしょう。彼をテレビで見るたびにこの件が思い出されます」(前出・芸能ライター)
■「証言はウソ」とジャニーズが反撃
NHKがジャニー氏による局内トイレでの性加害を報じた同じ日に、ジャニーズ事務所は次のような声明を発表している。
《弊社は現在、被害者でない可能性が高い方々が、本当の被害者の方々の証言を使って虚偽の話をされているケースが複数あるという情報にも接しており、これから被害者救済のために使用しようと考えている資金が、そうでない人たちに渡りかねないと非常に苦慮しております》
《そのような事態を招かないためにも、報道機関の皆様におかれましては、告発される方々のご主張内容についても十分な検証をして報道をして頂きますようお願い申し上げます》
名指しこそしないものの、NHKをはじめ一連の報道に反発の姿勢を見せている。
「ジャニー氏が亡くなっているため、性加害の証拠については、在籍やジャニー氏との接触の有無などを書類や映像、第三者もしくは被害者本人の証言で証明するほか方法はありません。膨大な数の性被害者がいる中で、ジャニーズが指摘するように金銭目的で便乗するものも出てくるでしょう。しかし、トイレ性加害については、『虚偽の話をされているケースが複数ある』というジャニーズの声明が出されたのがNHKの報道と同日だったため、再発防止特別チームや被害者救済委員会から事実認定がされていないはずですから、この声明は過熱するマスコミ報道への牽制と見られています」(週刊誌記者)
いずれにしても、内部告発やSNSでの拡散でウソを容易に隠し通せない時代になっている。