創業者の故・ジャニー喜多川氏(享年87)の性加害問題で、CM契約をしているスポンサーの“ジャニーズ離れ”が進む中、年末のNHK紅白歌合戦のジャニーズ枠の減少や出場辞退が予想されている。そんな中、ジャニーズの出場枠をひそかに狙っている音楽関係者の動きが見られるという。 亡き北公次の“肉声ビデオ”で語られているジャニー喜多川の生々しい性加害 「白組の司会にタレントを送り出し、毎年5~6組のグループの出場を確保してきたジャニーズ事務所ですが、ジャニーさんの性加害問題で受信契約者からの批判を避けるため、NHKはジャニーズ枠を減らすと見られています。これまで紅白に関してまことしやかに囁かれてきたのはジャニーズだけでなく、一部の音楽関係者が紅白スタッフを接待攻勢して出場枠を私物化してきたというもの。今回ジャニーズ枠が減ることで、その枠を狙った動きがあると聞いています」と話す音楽ライターは、こう続ける。 「05年に紅白歌合戦のキャスティングを仕切っていたNHKのチーフプロデューサーが、番組制作費詐取事件で逮捕されたことがありました。紅白に自社の歌手を出演させたい芸能プロとそのプロデューサーの間に入って調整役をしていたのが、音楽関係者でした。この時、大手紙もスポーツ紙もジャニーさんの性加害を黙認していたように、この問題をとりあげることはありませんでした」 8月末の再発防止特別チームの提言を受けて、9月7日に記者会見を開いたジャニーズ事務所は、ジャニー氏の性加害の事実を認め、謝罪。社長を辞任した藤島ジュリー景子氏に代わって、最年長タレントの東山紀之(56)が社長に就任し、新体制で再スタートすることになった。 ■出場できてもスノストの2組だけか しかし、経済同友会代表幹事でサントリーホールディングス社長の新浪剛史氏(64)が、「今後、2、3カ月で同事務所の体制に改善が見られない場合、ジャニーズ勢が出演する番組のスポンサーを降りることもありうる」とコメントするなど、大スポンサーである経済界からも厳しい視線が注がれている。ジャニーズは事務所名継続で、多くの批判の声があがるだけでなくCM契約の見直しなど実害が発生しているため、10月2日に行われる会見で社名変更を発表するといわれているが、時すでに遅しといえそうだ。 「例年通り、紅白にジャニーズのグループを多数出演させたら、受信料を払っている視聴者から抗議が殺到することが予想されます。事の次第では、ジャニーズ側が紅白出場を辞退する可能性も囁かれています。仮にジャニーズ枠が一部残ったとしても、Snow ManとSixTONESの2組だけに限られると思われます。彼らの所属レコード会社はジャニーズ系ではなく、ソニーとエイベックスだからです。昨年出場したジャニーズの6組のうち、スノストを除いた、King & Prince、関ジャニ∞、なにわ男子、KinKi Kidsの4組は、いずれもジャニーズ系のレーベル所属です」(週刊誌記者) 紅白はスタート時から、レコード会社が出場歌手の窓口になっている。その後、芸能プロダクションが力を持ち始めても、そのシステムは変っていない。そのため、ジャニーズ枠が激減することで空いた枠を狙って歌手をねじ込もうという動きがあるという。 「大手紙やスポーツ紙は、NHKの紅白スタッフの動きを監視する必要があります」(前出・音楽ライター) 年々低視聴率にあえぎ「つまらない」という声だけでなく、不要論さえ聞かれる紅白歌合戦。ジャニー氏の性加害問題を機に膿を出し切り、生まれ変わることができるのか。 (本多圭/芸能ジャーナリスト)