NYで初の感染者、全米で死者6人 パニックで水や米の買い占め騒動に?

全米で死者6人に

3月2日、アメリカではCOVID-19(新型コロナウイルス)の感染により新たに70代の男女を含む4人が死亡し、死者は6人となった。

いずれもワシントン州シアトル近郊のカークランド市の高齢者で、先日死亡した50代の男性と同じ介護施設の入居者だった。この施設では多数のヒトヒト感染が懸念されており、同州では緊急事態宣言が出されている。

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NYで初の感染者

ニューヨークでは3月1日、初の新型コロナウイルス感染者が確認された。感染者は渡航先のイランから先週カップルでニューヨークに戻って来た医療従事者の39歳の女性で、市内マンハッタン区の病院で検査を受け陽性反応が出た。呼吸器症状がみられるものの重症ではなく、現在自宅で自ら隔離中という。カップルのもう1人も検査をし、検査結果は明らかになっていない。女性は帰国後、公共交通機関は利用していないということだ。

これを受け、アンドリュー・クオモ州知事は「いつ感染者が出てもおかしくないことは予想されていたので、これまで着々と準備を整えていた。感染が今後広がっていく恐れはあるが、過度の心配は必要ない」と市民に呼び掛けた。

ニューヨークのビル・デブラシオ市長も、「市の保健当局では数週間にわたって警戒状態にあり、十分に対応する準備ができている」と述べた。今後感染が広がった場合でも、隔離された状態の医療用ベッド約1200台を準備できるということだ。

ニューヨークでも買い占め問題?

新型コロナウイルス騒動で、日本ではマスクやアルコール消毒液の買い占めが発生。さらにはデマにより買い占め問題は、トイレットペーパー、オムツ、米などの食料品などさまざまなものまで波及している。そして品切れとなったものが、メルカリなどのオンライン上で高額転売されるなど社会問題になっている。

一方、筆者が住むアメリカ・ニューヨークではどうか?

3月2日付けのニューヨークタイムズ紙は、「ウイルスへの警戒が高まっている市内ではこの週末、多くの店でマスク、アルコール消毒液、衛生商品、抗菌用のお手拭きなどが売り切れ状態となった」と報じた。マンハッタン区の薬局のオーナーは記事で「アマゾンでいくつかの商品を仕入れようとしたが、そこにもなかったりあったとしても驚くほど高額で販売されている」とコメントしている。

1日付けのニューヨークポスト紙でも、「Panicked New York shoppers stock up at Costco amid coronavirus fears」(新型コロナウイルスの恐怖でパニックに陥ったニューヨーカーがコストコで買いだめ」とする記事を発表。

記事では、パニック状態の人々(その多くはマスク着用)が1日、今後の自宅での隔離生活に備え、ブルックリンのコストコに詰めかけ、ボトル入りの水や米などを備蓄のために買いだめしたとある。店内スタッフによると、前日の土曜日からこのような状態で、倉庫からボトル水を商品棚にいくら補充しても、すぐになくなる状態という。

同記事では、「オレゴン州のコストコでも、トイレットペーパーがすべて売り切れ、また西海岸やハワイでもこのような状態」とある。

実際、どうなの?

筆者は市内ブルックリン在住だ。確かにマスクは2月上旬ころから薬局で見かけくなった。街中や電車内でマスクをしている人はほんの一部(筆者の感覚では0.5〜1%ほどの割合)なので、その多くはおそらく華僑が購入し自身で使用したり、中国の家族や親戚に送るなどして買い占めているのかもしれない。 マスクはどこの薬局でも、2月上旬ごろから市内で売り切れ状態。(c) Kasumi Abe

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ただし上記2紙で伝えられているような商品不足は、今のところ実感がない。

3月1日、2日とブルックリン区内の大型スーパーや薬局を見てまわったが、いずれの店にも、アルコール消毒液、抗菌用のピュレルやお手拭き、水、米、トイレットペーパー、オムツ、これらすべてが潤沢に商品棚に並べられているのを確認した。人々が列をなしたり買いあさっているのも目にしていない。いたって日常の光景だ。 3月1日に撮影。(c) Kasumi Abe

そして、マスクについても筆者はラッキーなことに、2月上旬の時点で薬局の倉庫に残っていた最後の1箱を購入することができている。また、価格はやや高いが、路上などでは現在このように販売されていたりもする。 路上でバラ売りされているマスク(2枚で5ドル=約500円)やアルコール消毒液(ハンドサニタイザー)。3月2日に撮影。

買い占めNO! 米アマゾンが悪徳業者をいっせい削除

日本と同様に、アメリカでも新型コロナ関連で品切れとなったものが、オンライン上で高額販売されているケースが見られる。2月27日付けのロイターは、「アマゾンで販売されているマスクや関連商品の一部は、価格が通常より3〜4倍跳ね上がっている」と指摘した。

しかしアマゾンでは先週より、悪徳業者をサイトから締め出すために、新型コロナ便乗商品を100万点以上も削除している。対象商品は、高値のフェイスマスク、病気を防御または治癒できると虚偽の効果を宣伝したものなどだ。

同社広報は、「我々は販売元に商品について正確な情報を提供することを要求しており、当社ポリシーに違反するものは削除する」との声明を出した。販売業者に警告した後、引き続き同社ポリシーに反した商品は1週間もしないうちに削除している。

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