日本大学アメリカンフットボール部の男子部員が学生寮で大麻などを隠し持っていたとして逮捕された事件で、警視庁は別の4年生の部員が密売人から大麻とみられる違法薬物を購入していたとして麻薬特例法違反の疑いで新たに逮捕しました。
逮捕されたのは、日本大学アメリカンフットボール部の4年生で21歳の現役部員です。
日本大学のアメフト部をめぐっては、3年生の北畠成文被告(21)がことし7月、東京 中野区にある部の学生寮で乾燥大麻などを隠し持っていたとして逮捕され、東京地方検察庁は麻薬取締法違反の罪で起訴しました。
調べに対し、被告が「ほかの部員も使っていた」という趣旨の供述をしたことなどから、警視庁は8月に学生寮を改めて捜索し、複数の部員らから任意で事情を聴くとともに、スマートフォンなどの解析を進めていました。
警視庁によりますと、その結果、同じ寮の4年生の部員がことし都内で密売人から大麻とみられる違法薬物を購入していたとして、麻薬特例法違反の疑いで新たに逮捕しました。
関係者によりますと、この部員は昨年度、被告と同じ部屋で生活していたということで、警視庁は寮の中で違法薬物が広がっていたとみて実態をさらに調べることにしています。
日大に通う学生からは厳しい声
日本大学アメリカンフットボール部の部員が新たに逮捕されたことについて、日本大学に通う学生からは厳しい声が聞かれました。
法学部4年の男子学生は「『またか』という感じだ。多くの人が真面目に頑張っているのに、こうしたことがあると台なしになってしまう。しっかりと取り締まってほしい」と話していました。
商学部3年の男子学生は「大学は本来、勉強する場所なので、こういったことはなくなってほしいと思う」と話していました。
日本アメリカンフットボール協会 会長「痛恨の極み」
日本大学アメリカンフットボール部の部員から2人目の逮捕者が出たことを受けて、日本アメリカンフットボール協会の寺田昌弘会長は、NHKの取材に対し「これまでの大学の対応や警察の捜索の動きを見ていて関わっている部員が1人ではないと予想していたので驚きはない。ただ、また1人、アメリカンフットボールに取り組む学生が逮捕されたことは痛恨の極みだ」と話しました。
一連の問題をめぐっては、国が大学に対し調査・検証の結果を報告するよう求めているほか、関東学生アメリカンフットボール連盟が再発防止策や責任の所在などについて報告書にまとめて提出するよう求めています。
寺田会長は、チームの今後について大学が決めることで協会が口を出すことではないとしたうえで「個人的な思いとしては、強くて伝統あるチームがなくなったりすれば大きな損失になるのでそうなってほしくはない。まずは、大学側の報告書を待ちたい」と話しました。