公正取引委員会は16日、使用済みペットボトルのリサイクル市場に関する実態調査を公表した。環境意識の高まりで再利用が進む中、ボトルの扱いを巡って飲料メーカーや自治体を巻き込んだ争奪戦となり、リサイクル協会と業界団体が独禁法に抵触する恐れのある対応をしたと認定。公取委は警鐘を鳴らし、公正な競争を促した。 ボトル水、30年までに倍増予想 プラごみや地下水枯渇に懸念
問題視されたのは、日本容器包装リサイクル協会が2021年、飲料メーカーらでつくる全国清涼飲料連合会に送った文書。指定法人である協会の入札を介さず、メーカーと市町村が独自ルートで資源ごみのボトルを処理するのは制度上、好ましくないとけん制した。 連合会は協会の動きを踏まえ、メーカーから自治体に直接取引の営業活動をしない合意をした。 背景には、市町村主導で新しいボトルに再生する取り組みの拡大がある。協会は処理全体の3分の2を管理するが、協会経由ではリサイクル用途を指定できず、メーカーや業者と市町村との直接取引が増えていた。 公取委は協会の行為が「独禁法上の問題が生じる可能性がある」と指摘した。