ビールから缶酎ハイへ サッポロビール仙台工場、RTD製造設備が稼働

サッポロビールは16日、缶酎ハイなどそのまま飲める低アルコール飲料「レディー・トゥー・ドリンク(RTD)」の製造設備を仙台工場(宮城県名取市)に新設し、11日に稼働したと発表した。仙台工場はビールからRTDの製造工場に生まれ変わり、拡大する需要に対応する。

 

 RTD製造ラインは「濃いめのレモンサワー」「ニッポンのシン・レモンサワー」といった商品を年間最大6万6000キロリットル生産する能力を備える。同社のRTD製造は静岡工場のみで、他社にも委託してきたが、仙台工場が加わって自社生産能力は倍増した。2026年に自社製造比率88%の目標を掲げる。

 仙台工場は1971年から約50年つくり続けてきたビール類の製造を2022年12月までに停止し、製造設備を撤去。その跡地にRTDの製造設備を設けた。投資額は撤去費を含め約77億円。従業員は38人で一部を再配置した。

 

 16日は稼働セレモニーがあり、野瀬裕之社長や山田司郎市長が見学した。東北の酒蔵の酒かすを使った「男梅サワー 和の旨(うま)み」を11月21日から限定販売する。

 野瀬社長は「RTD市場は順調に成長し、新しい国民酒といった勢いがある。市場拡大に対応して新しい商品を生み出し、地元に愛される工場として発展を誓いたい」と話した。

 敷地内ではカップ入りスープを製造するポッカサッポロフード&ビバレッジ(名古屋市)の工場が引き続き稼働し、工場併設のビール園も営業している。

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