「サイコロで給料が決まる」驚愕の制度を採用するIT企業。社員から文句が出ない不思議

中古車販売大手・ビッグモーターの不正の背景には、パワハラ気質の「社訓」があったのは周知の事実。企業がブラックなら社訓もブラック、その逆も然り。ビッグモーターが図らずも証明した格好だ。そこで、社訓からブラック職場の重症度を読み解く術を、実例を交えて紹介する!

◆非ブラック企業のバカ社訓

『「つくる人を増やす」会社のユニークすぎる社内制度』IT 面白法人カヤック

社訓にある「つくる人」は、ものごとに対する主体的な意識を意味する。目指すのは、「世の中を主体的に面白く!」だ© 日刊SPA!

面白法人カヤックは、神奈川県鎌倉市に本拠を構えるコンテンツ制作やサービス開発を行うIT企業。「面白法人」と名乗るだけあって、社訓(経営理念)はたった一つ。「つくる人を増やす」と実にシンプルだ。

ただ、正直、意味がわからない……。

◆社訓に込められた意味とは?

その含意を広報部長の梶陽子氏に説明してもらった。

「社名にある『面白法人』という言葉には、弊社が大事にする3つの企業理念が詰まっています。まず、自分たちが面白がり、次に周囲から面白いと言われる。

そして、世の中に面白がる人を増やす、です。経営理念(社訓)に掲げる『つくる人を増やす』とは、これら3つの企業理念を実現する方法なんです」

◆ハラハラドキドキのユニークな制度

月に1回行われる「サイコロ給」制度。参加する社員からは、勝負のヒリヒリ感より、面白法人らしく笑顔が溢れる© 日刊SPA!

この社訓を体現し、「自分たちが面白がる」ために、さまざまな社内制度が設けられているという。ふと目に飛び込んできたのは、サイコロ遊びに興じる社員の姿だ。

「サイコロを振って、月給×出目のパーセンテージで支給額が決まる『サイコロ給』制度は、3か月連続同じ出目なら支給額は倍づけになるんです。ハラハラドキドキで社員に好評です。

ほかにも、全社員が毎月ランダムに別の社員一人の長所を評価し、給与明細に記載する『スマイル給』という制度もあります。金額は0円ですが、お金では得られない喜びをもたらします」

◆「ぜんいん人事部」や「ぜんいん社長合宿」といった制度

「ぜんいん人事部」というユニークな制度もあるという。

「全社員の名刺に『人事部』という肩書を入れ、友人や身近な面白い人を『うちの会社にどうですか?』とスカウトすることができ、ファストパスを渡すことで1次面接は免除になる。自らリクルーターとなることで、会社で働くことが当事者性を伴った“ジブンゴト”になるんです」

さらに、年2回、全社員が社長になった気持ちで参加する「ぜんいん社長合宿」という制度もある。

これら多種多様な社内制度は、「つくる人を増やす」という社訓から生まれたものと言っていいだろう。面白法人カヤックの社訓は、新しい試みの土壌なのだ。

【梶 陽子氏】

面白法人カヤック広報部長。ファーストリテイリングの商品広報、新規国PR、CSR広報、ジーユーのPRなどを担当。鎌倉移住後、カヤックに転職

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