「身ぐるみ剥がして夫をポイ捨て」「盗撮犯に仕立て上げSNS晒し」… 中国で社会現象となっている“超・女性上位”社会の恐ろしい実態

中国のネット上で最近、「舔狗(舐め犬)経済」という言葉がブームになっているという。男性が“貢ぐ君”よろしく、プライドもかなぐり捨て、多額のお金を費やして女性の好意や歓心を買う行動を指すとか。しかしソレが行き過ぎて、いまや“超・女性上位”社会が到来――。それを象徴する、驚くような事件が続出しているのだ。 【写真を見る】「心は悪魔でも顔は天使!」との声が… 中国を震撼させた「猛毒女性」たちの美しすぎる素顔  ***

 今年6月、翟欣欣(ザイ・シンシン)という中国人女性が恐喝容疑で北京市公安局に逮捕されたニュースが、中国全土に衝撃を走らせた。1986年生まれのシンシンは、両親がともに大学教師という家庭で育った「才媛」と伝えられる。彼女が北京交通大学の修士課程の学生だった17年、出会い系サイトで6歳年上のプログラマー男性と出会ったことから、のちに大騒動へと発展する事件の幕は開ける。 「恋愛経験の少なかった男性は美しく聡明なシンシンに一目惚れし、出会ってから約2か月後に2人は結婚。男性はこの間、シンシンの求めるままに高級ブランドのバッグや靴、テスラ(米電気自動車)などを買い与え、さらに要求どおり“1日5万元(約100万円)の送金”のほか、結婚に至るまで130万元(約2600万円)を超える金銭をシンシンに支払っていたことがわかっています」(中国在住の日本人ジャーナリスト)  男性は中国で人気を博したモバイルアプリ「WePhone」の開発者で、中国IT業界では「成功者」として知られた存在だった。人も羨む「IT長者と美貌の妻」という“セレブカップル”誕生のはずが、結婚からわずか40日後に離婚――。いったい何があったのか。 「現地メディアによると、シンシンは破局前、男性に対して『私は美しく、高学歴で、言い寄る男はたくさんいる。田舎(福建省)育ちのあなたより優れている』などと言い放ち、男性を精神的に追い詰める言動を日常的に取っていたとされます。離婚合意書には(離婚に際し)男性がシンシンに1000万元を払い、2人の新居もシンシン名義にするとの条件が書かれていたとも。愛する妻から日々侮蔑され、全財産まで失うことになった男性は同年9月17日、ビルから飛び降りて自殺してしまったのです」(同)

SNSに投稿された「遺書」

 その直前、男性は自身のSNSに“シンシンによって死に追いやられた”との悲痛な「遺書」を投稿。瞬く間に、ネットを中心に大きな議論を呼ぶことになったが、当初は女性たちから「男が女に貢ぐのは当たり前」「プレゼントの多寡と誠意は比例する」など、シンシンを擁護するような声もあったという。  しかし男性側の遺族がシンシンの“極悪非道”ぶりを裏付けるチャット記録など多数の証拠を次々とSNSに上げたことで、「猛毒妻」のイメージが定着することに。 「18年4月、遺族側はシンシンに対して不法に窃取した財産の返還を求めて提訴。北京の裁判所は今年3月、シンシンに現金約1000万元と車などを遺族に返還するよう求める判決を下しました。ところが、シンシン側はすぐさま控訴。裁判が“第2ラウンド”に突入した最中での逮捕劇だったため、国中の注目をふたたび集めることになりました」(同)  逮捕を機に「真相解明」への期待が高まる裏側で、話題性では劣るものの、似たような事件が中国では他にも複数起きているという。 「たとえば山西省の新婚夫婦のケースがあります。結婚して1年と経たないうちに、妻が夫を性的暴行容疑で告訴する事件が発生。しかし捜査の結果、結婚の条件だった“現金20万元と7カラットのダイヤの指輪”を夫がすべて用意できなかったことに、妻とその家族が激怒したことが告訴の背景にあることが判明した。いまも互いの家族を巻き込み、舞台を民事法廷に移して争いは継続中と伝えられます」(同)

横行する「盗撮」冤罪

 夫婦間のトラブルではないものの、SNSを中心に“大炎上”しているのが、広州市の地下鉄で起きた「盗撮」冤罪事件だ。今年6月、出稼ぎ労働者の中年男性が電車内でしゃがんで携帯を見ていたところ、四川大学ジャーナリズム学科の女子大学院生が“私を盗撮しているのでは?”と疑ったことから、男性の悲劇は始まった。 「女子学生は男性に近づき、“携帯を見せてほしい”と言って男性の携帯電話を確認したところ、盗撮写真などは見つからなかった。普通であれば、これで嫌疑が晴れて一件落着となるのですが、女子学生はその後、男性の写真を自身のSNSにアップし、“わいせつ男”“盗撮の常習犯”などの言葉とともに糾弾を始めたのです」(全国紙外信部記者)  しばらくして男性の息子がSNSに晒された父親の姿を発見し、警察に相談。男性が盗撮した事実はなく、女子学生の思い込みに過ぎないことが明らかとなるが、女性は頑なに謝罪を拒否したという。 「男性の息子が“謝罪しなければ、訴訟を起こす”と最後通牒を突き付けてようやく、女子学生は非を認めて謝ったといいます。実は女性側が一方的に“盗撮された”などと訴え、SNS上に無実の男性を晒して告発するケースが中国では頻発しており、都市部の男性を中心に“自己防衛のために、日本と同じ女性専用車両をつくってくれ”との声が上がっています」(同)

「恋愛は疲れるだけ」

 中国人女性がここまで「イケイケで怖いもの知らず」になった理由について、中国人留学生の一人はこう話す。 「近年、中国でもフェミニズム思想が若い女性の間で浸透しつつあります。と同時に、特に大都市の高学歴女性の間で“好きなら、お金を使って心を引き留めるのは当たり前”といった感覚が当たり前になりつつある。その風潮を助長しているのが、中国でいま流行している“舔狗経済”と呼ばれる社会現象です」 「舔狗(舐め犬)経済」とは、男性が女性の好意を得るために見栄も自尊心も捨て、自分の生活を犠牲にしてでも高額のプレゼントやお金を女性に贈る行為を指すという。 「もともと中国には結婚に際して、男性が結納金のほか、家や車をプレゼントする風習がありましたが、最近はさすがに行き過ぎている。私の周りの20代の中国人男性らは“女性と付き合っても心身をスリ減らして疲れるだけ”といって、恋愛に興味を持たない者が増えています。ただでさえ、就職難など将来への不安を抱えているところに、女性からの法外な要求にまで応じる気力も経済力もない……というのが本音です」(同) 「強い女性」の台頭が「国力の衰え」を招くとすれば、皮肉というほかない。

デイリー新潮編集部

タイトルとURLをコピーしました