東京・渋谷駅に「【注意】渋谷はハロウィーンイベントの会場ではありません」とする巨大な看板が設置されたことが、X(旧ツイッター)で話題となっている。専用ロゴやハロウィーン期間中の路上飲酒の禁止等を呼びかける動画も作成されており、渋谷区がいかに問題視しているかがが伺える。なぜこれほどまでに注力するのか、J-CASTニュースは渋谷区に取材した。
渋谷駅前に設置された看板(2023年10月17日撮影)
看板掲出のほか、専用ロゴや動画の作成も
渋谷区では例年、ハロウィーン期間の来街自粛を呼びかけており、2023年9月12日にも長谷部健区長が記者会見で、「ハロウィーン目的で渋谷駅周辺に来ないでほしい」と呼びかけたことが報じられた。
看板には「【注意】渋谷はハロウィーンイベントの会場ではありません」「NO EVENT FOR HALLOWEEN ON SHIBUYA STREETS.」の文字が大きく記載され、路上喫煙とハロウィーン期間の路上飲酒の禁止について説明されている。さらに「渋」の文字をモチーフに、路上飲酒や路上喫煙を禁止することを示したロゴもあしらわれている。
また渋谷区は公式XとYouTubeでハロウィーン期間中の渋谷駅周辺への訪問を控えてほしいと呼びかける動画を公開。Xでは日本語、英語、中国語の3か国語で投稿した。
渋谷区はJ-CASTニュースの取材に対し、看板は10月16日から渋谷駅前に設置し、ロゴは「今年度用に作成したデザイン」とした。
これほど大規模に来街自粛の呼びかけをしている理由については、次のように回答した。
「例年ハロウィーンの期間には日本の国内外から多くの方がいらっしゃいますが、今年については、現在の来街者数がコロナ前もしくはそれ以上になっている状況であり、また、コロナ前以上に路上飲酒が渋谷に根付いてしまっており、住民とのトラブルや惨事になりかねない事故・事件も発生しているという状況です。
区としては、何も対策を講じなければ、昨年までとは比べられないほどの人出により、雑踏事故やトラブルの急増が予想され、住民や来訪者の安全・安心の確保ができないことに強い危機感を抱いています。そのため、警察や鉄道事業者など関係機関に協力を要請し、例年以上の雑踏事故防止対策を検討しています。
区として、『渋谷に来ないでほしい』と訴えることは非常につらいことですが、来街者の安全を第一に考え、国内外の人々に来街自粛を要請させていただいております。
ご質問の(看板の)掲出についてもその一環として行っているものです」
看板の反響については「多くの方に上記の意図を知っていただき、ハロウィーン期間の来街自粛について皆様のご協力をお願いできればと思います」と回答した。
渋谷区では10月27日18時から24時、28日から31日の0時から5時、18時から24時、11月1日の0時から5時の期間、定められたエリアでの路上飲酒が条例により禁止されている。