創業者の故ジャニー喜多川氏の性加害問題が原因で、ジャニーズ事務所が「SMILE―UP.」(スマイルアップ)に社名を変更するなど揺れに揺れる中、その影響が多方面に出始めている。意外にもダメージが大きいのがお笑い芸人だ。テレビの年末年始特番を巡って「11~12月に〝仮バラシ芸人〟が大量に出そうだ」という。 【写真】「仮バラシ芸人」にも出演していたFUJIWARA・フジモン 社名変更に伴って「ジャニーズWEST」が「WEST.」「関ジャニ∞」も改名を予定するなど、ジャニー氏を思い起こさせる言葉が入っているグループは、名前の変更を余儀なくされている。また、所属タレントのグッズを販売する「ジャニーズショップ」も営業を終了。さらにグループ会社「ジャニーズ出版」は「ブライト・ノート・ミュージック」に社名を変え、「嵐」「なにわ男子」らが所属するレコード会社「ジェイ・ストーム」は来年から社名を「ストームレーベルズ」にすると発表した。 タレントとエージェント契約を結ぶ新会社名の公募をファンクラブサイトで開始したが、今まで通り旧ジャニーズの所属タレントが同じようにテレビ番組に出演し続けられるのか、今のところまだ不透明だ。その影響は、なぜかお笑い芸人にも波及しているという。 お笑い系の芸能プロ関係者は「テレビ界では、11月中旬くらいから年末年始特番の収録が本格化する。今は番組サイドから出演オファーが舞い込む時期なんですが、今年はジャニーズの問題があったから、テレビ局側もホントにジャニーズタレントを起用できるのか不透明。なのでその分、芸人に多くのオファーが殺到している」と明かす。 数多くオファーが舞い込むなら芸人にとってはいい話に思えるが、そう簡単な話ではない。 「そのオファーのほとんどが、業界内では『(仮)』とされるもの。つまり〝仮押さえ〟というヤツで、実際に番組に出演できるかは、収録の直前まで分からないんです」(同) いわゆる(仮)でオファーを受けているタレントが出演を直前で断られることは「仮バラシ」と言われる。今年8月には、テレビ朝日系の人気バラエティー番組「アメトーーク」で「(仮)バラシ芸人2023」という企画が放送されたが、それほどテレビ業界では頻繁に起こること。特に芸人に多いという。 「今年の年末年始特番に関しては、芸人に(仮)で来るオファーは普段より明らかに多い。もっとも(仮)でオファーが来るような芸人は、バラエティー番組に引っ張りだこの人気芸人ではなく、『もっと売れたい』というレベルの芸人ばかり。とりあえずは番組サイドの意向に従うしかない」(同) ただ今年に関しては、(仮)のオファーがあまりに多いため、過去にはあまりない事例が起きているという。それは、(仮)のオファーで〝裏かぶり〟してしまうというのだ。 〝裏かぶり〟とは、同じ時間に放送される番組に同じタレントが同時に出演することで、最近のテレビ界ではタブーとされている。 「ただ、どっちも(仮)ですからね。〝裏かぶり〟になる可能性があるから、マネジャーは片方を断らざるを得ないけど、オファーを受けた番組も最終的に〝仮バラシ〟となるかもしれない。本音を言えば、両方ともキープしておきたいですよ」(同) ジャニーズの性加害問題は、お笑い界にも影響を及ぼしているようだ。