佐竹敬久秋田県知事は23日の定例記者会見で、県内で相次ぐツキノワグマの出没や人身被害を受け、駆除を担う猟友会員らの弾丸の購入費用などを県が負担する考えを明らかにした。駆除への慰労金と合わせた関連費用約1500万円を本年度予算に計上する方針。
本年度の人身被害は同日時点で46件53人に上り、過去最悪を更新している。捕獲頭数は1030頭(9日時点)となり、県計画が定める本年度の捕獲上限1582頭に近づいている。
佐竹知事は捕獲の在り方について、人命優先だとして「緊急避難的には撃てる状況なら撃つのが一番で、捕獲頭数は後の問題。猟友会が駆除できる状況をつくっていく」と強調。11月~来年2月の狩猟期間を見据え、弾丸などの経費を負担し駆除を後方支援する。
来年以降、IT関連の誘致企業にデータ分析を依頼し、クマの生息域や出没傾向に関する実態調査を進める考えも明らかにした。
駆除に抗議する電話が県庁に届いていることについては「参考になるメールなどは若干考慮するが電話は一番乱暴」と持論を展開。氏名を名乗らない一方的な通話が大半だとして「付き合うと仕事ができない。業務妨害だ」と述べ、応対は不必要との認識を示した。