青森のナマコ漁11月に再開へ 中国禁輸で10月は自粛

青森県漁連は24日、東京電力福島第1原発の処理水海洋放出に伴う中国の禁輸措置で自粛していたナマコ漁を、11月に開始すると明らかにした。禁漁明けの10月は水揚げしても買い手が付かないため、ナマコ漁をする県内27漁協が足並みをそろえ漁を見送っていた。

 県漁連は同日、青森市で開いた非公開の会議で、開始の方針を27漁協の代表者らに説明した。異論はなく了承されたという。

 終了後、県漁連の二木春美会長は「業者から若干ナマコを買えるという話があり、操業の道筋が立った。少しでも収入を確保したいという声も聞き、漁の開始を決めた」と説明。「大量に水揚げしても買い取れないとなれば大変だ。業者と相談しながら、見合う分の漁をしていく」と話した。

 10月の漁の自粛で失われた収入は、27漁協がそれぞれ過去5年の平均価格を算出し、県漁連が取りまとめた上で東電に補償を求める。11月も価格の下落分を請求する方針。

 農林水産省によると、2021年の青森県のナマコの水揚げ量は642トンで、最大産地の北海道の2143トンに次ぐ。「黒いダイヤ」とも呼ばれるナマコは中国で高級食材として扱われ、高値で取引されてきた。

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