今年のハタハタ漁 過去最低か 秋田 漁獲量140トン見込み 山形も前年同期比9割減

秋田県と県内の漁業者でつくるハタハタ資源対策協議会は24日、秋田市で会合を開き、今年1~12月の漁獲量が禁漁が明けた1995年以降で最も少ない約140トンにとどまる見込みだと報告した。

 県水産振興センターによると、1~6月の県内の漁獲量(速報値)は1・3トンで、21・5トンだった前年同時期に比べて大きく減少した。ハタハタ漁が盛んな山形県でも同様に9割以上減った。

 センターは漁獲量低迷の主な要因として、海水温の上昇で海洋環境が変化していると説明。秋田県沖では、1歳までの魚の生残率が2013年の1%台から23年は約0・5%に半減したとし、今後数年は漁獲量が低い水準で推移する可能性があると指摘した。

 出席した委員からは「何年も不漁が続けば経営が厳しくなる」と影響の長期化を懸念する声が上がった。センターの担当者は、回遊するハタハタを人為的に増やすのは難しいとした上で「漁業所得の足しになるように漁港を使ったサーモン養殖などの技術開発を進めたい」と述べた。

 会議後、県漁協の西方強沿岸部会長は「厳しい数字だが、ハタハタを捕ることも食べることも(秋田の)文化であり、やめるわけにはいかない。組合員が生活を維持するための方策を県にお願いしたい」と話した。

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