仙台市は26日、県が昨年5月に公表した最大級の津波浸水想定で、新たに浸水域に含まれた地域の津波避難施設として、宮城野区出花の民間賃貸マンション5棟を指定した。マンションの指定は市内初で、津波避難施設は25カ所となった。
5棟は鉄筋4~6階で、JR仙石線中野栄駅(宮城野区)の南約600メートル圏内にある。津波が建物に衝突した際の上昇分を加味した「基準水位」は各棟最大1・8~3・2メートル。3メートルを超える大津波警報発令時、2階以上の廊下や階段といった共用部で最大計925人の受け入れが可能となる。
市防災計画課によると、いつでも避難できることなどが指定の条件となるため、建物の所有者や管理者の理解が欠かせない。市は新想定で浸水域となった宮城野区の高砂、福室などの近隣地区でも、津波避難施設を募集している。
県防災推進課によると、石巻、多賀城各市が一部のマンションを津波避難施設に指定している。