10月17日に新社名「SMILE-UP.」に変更した旧ジャニーズ事務所。 創業者である故・ジャニー喜多川氏の性加害告発を受けて、問題を認め、謝罪した同社は、今後、被害者への補償業務に専念することになる。 【写真】“謎忖度” グループの「エース的存在」 これまでジャニー氏の影響が色濃く受けた社名やグループ名が多数あったが、これについて、新社長に就任した「少年隊」の東山紀之が10月2日の会見で「ジャニーズとつくものはすべてなくなる」と明言したように、改名が迫られる結果となった。 「9月7日の会見で『人類史上もっとも愚かな事件』と、ジャニー氏の性加害を断罪した東山氏とあって、徹底的に名称変更し、被害者補償に対する姿勢を明確に打ち出したかったのでしょう。 結果として、旧ジャニーズ事務所がSMILE-UP.となったのと同時に、関連会社の『ジャニーズ』『ジェイ(J)』がつく名称も変更になり、デビュー前のタレントの呼称だった『ジャニーズJr.』は『ジュニア』に、ファンクラブ『ジャニーズファミリークラブ』は『ファミリークラブ』に変更となりました。 また、すでにデビューしているグループの名前も例外ではなく、『ジャニーズWEST』は『WEST.』にすでに改名し、『関ジャニ∞』も改名することを発表しています。最近、テレビ番組などでもよく見かける『HiHi Jets』はデビュー前ですが、“Jet” の部分は『Johnny’s entertainment team』の略称と言われており、改名の必要性が指摘されています」(芸能記者) 一方で、直接的に「ジャニーズ」と連想させる名前ではないにもかかわらず、改名を発表したグループもある。 「それは『Sexy Zone』です。10月5日にファンクラブ会員向けのサイトで、新しい名称は未定としながらも改名を発表しました。メンバーの中島健人さんが自身のInstagramで『やっぱりね、海外で驚かれる』と明かしたように、今後の海外進出などを考えた際に、忌避されやすい名称であることから、数年前から変更を検討していたそうです。 ちなみに、Sexy Zoneは “xy” の部分を赤文字にするのが、正式な表記になります。『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)などの番組では、律儀にこの表記を守っているのがよく見られました」(前出・芸能記者) この “xy” の煩わしさなどを見ると、周囲のためにも改名するのは悪い流れではないように思える。 だが、「Sexy Zoneよりも、もっと改名してほしいグループがあるんですよ」とこぼすのは、旧ジャニーズ事務所のタレントが登場する雑誌を手がけた経験のあるデザイナーだ。 「Sexy Zoneの一部を赤文字にするのは、そこまで難しいことではありませんし、実際のところ彼らのCDジャケットなどでも、デザインを優先して、赤文字にしていないことは多々あります。それよりも気をつけなければならないグループ名が『Hey! Say! JUMP』なんですよ。できれば、こちらを改名してほしいくらいです……」 このデザイナーは彼らのグループ名によって、何度も頭を抱えたことがあるという。 「なぜかというと、グループ名にある小文字の『a』にはNGがあるんですよ。『a』には “1階建て” と言われる、丸に縦棒を付け加えただけの形と“2階建て”と言われる、丸を覆う屋根のように頭が飛び出た形の2種類があります。これの後者が絶対にNGなんです。 印刷物や読み物によく使われる『活字体』などの書体では、ほとんどがNGの形になっています。間違えて、NGの『a』の形で雑誌デザインを作成し、『事務所から書体でNGが出ました』と、担当編集者にやり直しをお願いされたことが何度あったか……。 デザインソフトで使う書体は、どちらかのパターンしか収録されていないので、必然的にNGの形になっている書体は使えなくなるので、デザインの幅も狭まってしまいますし、本当に謎の忖度だったなと思います」(前出・デザイナー) 2018年に『NHK紅白歌合戦』に出場したHey! Say! JUMPだが、そのグループ名をインターネット上で表記した際、ほかのグループ名と同じフォントでは『a』の字が表せないため、彼らだけ画像形式で表示させる処置が取られたこともあった。 グループ名変更も必要だが、こうした忖度をなくしていかなければいけないのではないか――。