旧ジャニーズ事務所新社長へ就任する方向の福田淳氏とは…テレビ局の手法批判、芸能界の変革訴え

SMILE―UP.(旧ジャニーズ事務所)の東山紀之社長(57)が、新たに立ち上げるエージェント会社の社長就任を取りやめたことが30日、分かった。故ジャニー喜多川氏による性被害者の救済、補償に特化した会社として存続する旧事務所の社長は続ける。年内での芸能活動引退を表明していたが、補償業務の終了後、活動再開する可能性も出てきた。

 東山に代わる新会社の社長には、女優のん(30)がエージェント契約しているコンサルティング会社「スピーディ」の代表取締役社長、福田淳氏(58)が就任する方向で固まった。既に所属タレントにも説明がなされている。SMILE―UP.は本紙の取材に「経営体制や社名などの詳細につきましては決まり次第公表する予定でおります」とコメントした。

 福田氏はスピーディ社でハリウッド式のエージェント業務を行ってきた。のんとは16年にエージェント契約を結んだ。メディアのインタビューでは、テレビ局の手法などを批判。芸能界の変革を訴え、旧ジャニーズ事務所が立ち上げる会社について「負の遺産を引き継がないで、日本のエンタメをけん引していってほしい」と話している。

 日大芸術学部卒。ソニー・ピクチャーズエンタテインメントを経て、社内起業したソニー・デジタルエンタテインメントの社長を務めた。17年に「スピーディ」を設立し、福田氏はブランドコンサルタントとして活動。エージェント業、アートギャラリーの運営、出版業など多岐にわたるビジネスを手がける。

 新会社は11月中に立ち上げられる予定だが、当初の予定とは異なる経営体制での船出となる。今月2日の会見で、新会社を立ち上げ、ここでタレントのエージェント業務を行っていくとしていた。新会社には藤島ジュリー景子前社長は関わらず、東山が社長、井ノ原快彦(47)が副社長に就くとしていた。

 だが、東山は旧事務所の業務に加え、今年末まで芸能活動も行っており、関係各所が求めている迅速な対応ができていなかった。また、新旧2社の社長を務めることについてガバナンス面で問題があることや「再発防止特別チームが求めた解体的出直しにならない」とも指摘されていた。

 この日までに、新会社の幹部スタッフらに、東山の社長就任辞退と福田氏が社長に就くことが固まったことが共有されている。テレビ局関係者は「旧ジャニーズ事務所で顧問を務めていた元ソニーの幹部スタッフが、ソニー時代から福田氏と旧知だった。なかなか社長のなり手がいない中で、その人からの推挙もあって福田氏にお願いすることになったと聞いています」と事情を明かした。

≪経過≫

 ▼8月29日 旧事務所が設置した再発防止特別チームが故ジャニー喜多川氏による性加害を「事実」と認定

 ▼9月5日 藤島ジュリー景子氏に代わり、東山が旧事務所の新社長に就任

 ▼同7日 記者会見を開き、性加害の事実を認め謝罪。東山の社長就任を発表

 ▼10月2日 記者会見を開き、新社名「SMILE―UP.」、新たなエージェント会社の立ち上げ、新会社への社長就任を発表

 ▼同8日 東山の最後の舞台出演となり、主演を務める「チョコレートドーナツ」が開幕

タイトルとURLをコピーしました