糖質カットうたう炊飯器、 見せかけの低減率 販売元4社に措置命令

ご飯の糖質を低減できるとうたった「糖質カット炊飯器」。「糖質54%カット」といった表示に合理的な根拠が示されなかったとして消費者庁は10月31日までに、4商品をそれぞれ販売していた4社に対して景品表示法違反(優良誤認)で再発防止などを求める措置命令を出したと同日、発表した。 【写真】措置命令を受けた事業者の「糖質カット炊飯器」=2023年10月31日、東京都千代田区  4社は、forty-four(東京都渋谷区)、ソウイジャパン(同品川区)、EPEIOS JAPAN(同中央区)、HR貿易(同墨田区)。  消費者庁によると、4社は、糖質カット機能は炊飯する際に糖質を含んだ水を内釜の外に排出するなどの構造によって、通常で炊くよりご飯の糖質を5割ほど低減できるかのように自社ウェブサイトなどに表示した。  消費者庁が各社に表示を裏付ける資料の提出を求めたところ、通常炊飯したご飯と糖質カット機能で炊いた同量のご飯に占める糖質量の差を示す試験結果が提出された。しかし、糖質カット機能で炊いたお米はおかゆに近いほどの水分量を含んでいて総重量が増えたため、総重量に占める糖質の割合が低くなっているだけだとして、消費者庁は合理的な根拠となる資料と認めなかった。  国民生活センターが、4社のうち2社を含む複数の糖質カット炊飯器の商品テストを実施。今年3月、広告などで示されていた低減率を下回る製品があったと発表していた。  4社は、朝日新聞の取材やHP上に「措置命令に真摯(しんし)に対応する」などのコメントを出した。措置命令の対象となった商品を現在も販売中のforty-fourとソウイジャパンは、表示をすでに修正・変更したという。EPEIOS JAPANとHR貿易は、現在は対象商品を販売していないという。(寺田実穂子、大村美香)

タイトルとURLをコピーしました