「町の未来考える場へ」
東京電力福島第1原発事故に伴う全町避難が11年半続いた福島県双葉町に、不動産管理業の大和ライフネクスト(東京)が大規模な会議場を備えたホテル「FUTATABI(フタタビ)」をオープンさせると31日、発表した。2025年度の開業を目指し、東日本大震災や原発事故の被災地を巡る教育旅行「ホープツーリズム」の受け皿を担う。
ホテルは中野地区復興産業拠点内に建設し、整備中の県復興祈念公園に隣接する。5階建てで、延べ床面積は約6000平方メートル。浜通り最大規模の会議場(約400平方メートル)や100の客室、レストラン、スパを備える。
外壁は海の柔らかさをイメージし、波形に仕上げる。24年春の着工予定。約30人を地元雇用する。双葉町は、隣接する浪江町の福島国際研究教育機構(F-REI=エフレイ)に関連する国際会議の誘致を図る。
東京都内であった企業立地協定の締結式で、伊沢史朗町長は「多くの人に町を訪れてもらい、被災地の現状と復興に向けて果敢にチャレンジする姿を見てもらいたい」と述べた。
竹林桂太朗社長はホテル名の由来として、地域の「再生」、人との「再会」などの思いを込めたと説明し「町は今どういう状況で、どのような未来に向かうのかを考える場にしたい」と語った。