AIサミット、悪用防止へ宣言合意 人類に「破壊的な害」可能性指摘

 英ロンドン郊外で開幕した国際会議「人工知能(AI)安全サミット」で、英国政府は1日、AIの悪用防止には国際的な連携が急務とする「ブレッチリー宣言」を発表し、日米中を含む28カ国と欧州連合(EU)が合意した。最終日の2日は、AIのリスク管理に向けた議論をさらに進め、閉幕する。

 宣言では、AIが人類に「破滅的な害」をもたらす可能性を指摘した。そのうえで、各国共通の懸念事項であるAIのリスクを「特定」し、それに関する「科学的理解」を深めることが盛り込まれた。一方で「各国の状況や法的枠組みが異なることは認識する」とも記しており、今回は強い規制には踏み込まず、まずは緩やかな枠組みでの国際協力の重要性を強調した格好だ。1Pc 誇張リング象嵌不規則な天然石調節可能なジュエリー男性と女性のためのブラインドボックス不確実な形状

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 サミットは今後も継続され、半年後に韓国で、1年後にフランスで開くことも決まった。

 英メディアによると、米起業家でX(ツイッター)オーナーのイーロン・マスク氏は報道陣に対し、「私たちは初めて、人類より知的になり得る存在と向き合っている。制御可能か分からないが、人類に有益な方向へ導くことはできる」と述べた。そのうえで、AI開発企業を監視する「第三者レフェリー(審判)」の設置が必要と指摘。独立した審判役の機関が企業の活動に懸念を持った場合、「警鐘を鳴らせる枠組み」の重要性を語った。

 知的財産の窃盗問題を巡り欧米との摩擦が絶えない中国も、今回のサミットに正式に招待された。1日の会議に出席した中国科学技術省の呉朝暉次官は「あらゆる方面との対話を強化したい」と語った。

 英政府によると、2日の会議はスナク首相の主導で「志を同じくする」少人数での議論が予定され、米仏独やEUなどの代表が出席する。日本からは岸田文雄首相がオンラインで参加し、現地では小森卓郎総務政務官が対面出席する。

 ただ、初日に出席した中国は含まれておらず、中国への警戒感が強い米国に配慮した可能性がある。ハリス米副大統領は1日、ロンドンの米大使館で「AIは人権や人間の尊厳のために用いられるべきだ」と演説した。中国の名指しは避けつつも、AIによる監視システムで少数民族ウイグル族への弾圧などが指摘される中国をけん制した形だ。【ロンドン篠田航一】

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