政府から10月に解散命令請求をされた世界平和統一家庭連合(旧統一教会)が、元信者らへの被害補償が必要になった際の原資として、最大100億円ほどを国側に供託する方向で調整していることが5日、教団関係者への取材で分かった。近く公表する。
教団の財産は解散命令が確定すると清算されるため、事前に海外に流出させるのではないかと被害者らから疑いの目が向けられており、国会でも財産保全策が議論されている。教団としては100億円規模の被害を認めたわけではないが、懸念を払拭し、国による新たな財産規制を避ける狙いがあるとみられる。
全国統一教会被害対策弁護団が把握する被害者は約130人で、被害額は40億円超と試算している。既にうち124人分、約39億円の賠償を教団に求めたと明らかにしており、潜在的な被害額を含めると1千億円程度になる可能性があるとする。文化庁の調査によると、解散命令請求時点で判明した被害規模は、訴訟上の和解、訴訟外の示談を含め約1550人、総額約204億円に上る。