卵1パック、いくらまでなら買いますか?読者アンケートの結果は<変わる食卓~東北の現場から>

卵をはじめとする食品価格の高騰や、昆虫食などの新たな食べ物の登場を消費者はどう受け止めているのか。河北新報社が10月に実施したアンケートでは、価格高騰対策として食事の品数を減らしたり、外食を控えたりする人が多かった。

食品高騰「外食しなくなった」

 「卵1パック(10個)をいくらまでなら買うか」との質問には、200円台との答えが最も多く46%。200円未満は20%で2番目だった。300円台(19%)、500円以上でも買う(9%)、400円台(6%)と続いた。スーパーなどの小売店で値上げが顕著だが、消費者は引き続き、割安な卵を求めている。

 「肉や卵、乳製品を買う際に最重視する点」は品質(40%)と価格(35%)がほぼ拮抗(きっこう)し、原産地(22%)を上回った。

 品質派は「そこそこの品質で低価格の物がいい」(30代専業主婦女性)「安いのは質が悪そう」(60代会社員男性)。価格派は「物の値段が上がっている」(60代会社員男性)「品質も気になるが、家族が多い」(60代パート女性)と説明した。

 食品価格の高騰による影響は多くの人が「買いだめをしなくなり、買い物に行く回数も減った」(30代パート男性)「菓子や果物を買うことが減った。外食もほとんどしなくなった」(60代専業主婦女性)などと答えた。

 献立の見直しに切り込む家庭もあり「食卓の品ぞろえが減った。毎日、腹八分目」(50代派遣女性)「卵料理を減らし、お弁当に入れるミニトマトをやめた」「彩りを添えるための食材は買わなくなった」(40代パート女性)といった声もあった。

 アンケートは10月13~15日に「読者とともに 特別報道室」のLINE(ライン)で友だち登録する人に実施し、186人から回答があった。一般の世論調査とは異なる。

食料自給率「知らない」61%

 河北新報社のLINEアンケートで「2022年度の国内食料自給率(カロリーベース)が38%、飼料自給率は26%」と知っていた人は39%、知らなかった人は61%だった。自給率が低迷する一方、牛乳の廃棄やコメの生産抑制を疑問視する意見もあった。肉に代わる新時代のタンパク源として期待される昆虫食は、日常の食事としては浸透していないようだ。

 新型コロナウイルスの影響で消費が落ち込んだ牛乳が廃棄されたことに関連し「酪農家が廃棄を余儀なくされているのに、自給率が低いのはなぜか」(50代専業主婦女性)「乳製品の過度な輸入や牛乳の破棄が気になる。原乳が余っているのに加工品の価格が高騰していく」(30代アルバイト女性)との声が上がった。

 毎年、生産量の削減を求められるコメは「有効活用すれば農家も大変な思いをしなくて済む」(40代会社員女性)「休耕田を活用して食料や飼料の自給率向上を」(40代会社員男性)との提案があった。

 「生産者の収入と労力が見合っていない」(30代専業主婦女性)「戦後、給食でパンを食べさせて小麦の輸入が増えた。今からでも遅くないので地産地消を強化すべきだ」(60代無職男性)と抜本対策を求める意見もあった。

 昆虫食については、食事に取り入れたくない(65%)が、取り入れたい(16%)を圧倒した。「摂取後の健康被害がないか不安。見た目にも絶対無理」(50代公務員女性)など拒絶感が強かった。

 「子供時代にイナゴを食べたことがあり、栄養になるのであれば食材に使用してかまわない」(70代無職男性)「安価で栄養がある」(50代公務員男性)といった声は少数派だった。

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