EV需要鈍化で巨額投資にブレーキ、テスラ含めメーカーに再考迫る

電気自動車(EV)需要に陰りが見えることで、業界トップのテスラも含め、急ピッチで拡大してきたEV投資を見直す動きが広がっている。

  メーカー各社は高級車志向の買い手のみならず、大衆車としてのEVを目指し、北米であわせて約1000億ドル(14兆9400億円)を投じる意向を示している。しかし、インフレと金利上昇で、一般消費者が自動車を購入することは困難になっており、EVメーカーを取り巻く環境が悪化していることをうかがわせる。

  例えば、フォード「F-150ライトニング」は、連邦政府の税控除7500ドルを加味する前の段階で約5万ドルからとなっている。これに対し、同じ車種で基本モデルのガソリン車は約3万7000ドルからだ。ゼネラル・モーターズ(GM)の「シボレー・ブレイザー」は約3万7000ドルからだが、EVなら税控除前で5万6000ドルからとなっている。

Speed Bump

Tesla sales dipped in the third quarter, despite drastic price cuts.

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Source: Tesla sales data

  こうした中、テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は、メキシコに10億ドル規模の工場を新設する計画を先送りする可能性があると述べた。昨年の成長ペースが50%に上ったと胸を張って語っていた3月の投資家向けイベントからは様変わりだ。

  GMはこれまで、デトロイト郊外の工場で電動ピックアップトラックの生産を拡大する計画を延期。同工場では、来年から「シボレー・シルバラード」と「GMCシエラ」の電動ピックアップの生産を開始する予定だったが、現在では2025年後半まで開始時期が先送りされた。

  フォード・モーターはすでに、EV関連の投資計画150億ドルのうち、120億ドルを延期すると発表済みだ。ジョン・ローラー最高財務責任者(CFO)は10月27日、ケンタッキー州で予定していた韓国SKオンとの第2バッテリー工場共同建設を延期すると発表した。フォードはまた、今年拡張したメキシコ工場でのEV車「マスタング・マッハE」の生産を縮小している。

Falling EV Prices

Automakers have disproportionately slashed US electric-vehicle prices.

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Source: Kelley Blue Book data

Note: Doesn’t include applied consumer incentives

原題:Cooling EV Sales Have Tesla, GM and Ford Rethinking Investments(抜粋)

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