日本株は今年に入り中国株に圧勝してきたが、その流れが変わろうとしていると一部の投資家は考えている。
日本株への逆風は強まりつつある。世界的な成長悪化に加え、金融政策引き締めを求める圧力に日本銀行がさらされる中で、輸出業者の利益を支えてきた円安の時代も終わる恐れがある。
これとは対照的に中国株は楽観論が高まっている。今年のパフォーマンスは世界的に見て最下位グループだったが、中国当局の景気・株式市場浮揚策が奏功し、下降局面が終わると期待される。バリュエーションの歴史的低水準も底値買いの投資家を引き寄せるはずだ。
トライベッカ・インベストメント・パートナーズのファンドマネジャー、ジュン・ベイ・リウ氏は「今後12カ月の相対的アウトパフォーマンスは、中国ないし中国中心タイプの経済圏からもたらされるだろう」と予測。今年の著しいアウトパフォーマンスを受け、そうしたトレードの資金を確保する手段に「日本株はなりがち」との認識を示した。
東証株価指数(TOPIX)は23年に入り23%急上昇し、このままいけば過去10年で最良の年になる。これに対し、中国のCSI300指数は7.4%下落している。
だが日本株のアウトパフォーマンスが既にピークに達した可能性を示す兆候が見て取れる。
グローバルファンドの大量に積み上がったポジショニングも日本株のリスクだ。今年10月27日までの海外投資家による日本株の買越額は307億ドル(約4兆6000億円)で、通年では2013年以降で最も大きくなりそうだ。