カンボジア拠点の詐欺グループ「かけ子」容疑 25人を日本で逮捕へ

カンボジアの首都プノンペンを拠点に日本に特殊詐欺の電話をかけていたとして、埼玉など9道府県警は、「かけ子」役とみられる20~40代の日本人の男25人を8日にも日本へ移送し、詐欺などの容疑で逮捕する方針を固め、7日午前、捜査員約60人を現地に派遣した。捜査関係者への取材でわかった。

詐欺グループの拠点となっていたマンション=2023年10月28日午後0時43分、カンボジア・プノンペン、有元愛美子撮影

 9月に現地当局が首都プノンペンにあった拠点を摘発し、25人を拘束。日本警察は、このグループによる被害が全国で少なくとも数億円に上るとみており、逮捕後に全容解明を進める。格安SIMのプラン料金比較

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 捜査関係者によると、詐欺グループの拠点は法人名義で借りられていた8階建てのマンションで、1棟を丸ごと借りていたという。摘発時、室内から数十台のスマートフォンやパソコン、複数のメモなどが押収された。

 25人はマンションで共同生活をしながら、詐欺の電話をかけていたとみられている。日本警察は、犯罪組織が仲間を募る「闇サイト」や知人の紹介で詐欺グループに加わり、現地入りした可能性を視野に調べている。

 だましの手口は、身に覚えのないトラブルの解決料などを求める、架空請求詐欺。被害者らに「犯罪に加担している疑いがある」といった電話をかけ、弁護料などの名目で現金を指定口座に送らせていた疑いがあるという。警察は日本国内に協力者がいるとみて、捜査を進める考えだ。

 海外で特殊詐欺グループの拠点が摘発される事件は近年、後を絶たない。カンボジアではリゾートホテルで日本人19人が拘束され、警視庁が4月に詐欺容疑で逮捕。5月にも3人が拘束され、佐賀県警が同容疑で逮捕した。日本で「仕事がある」と誘われて入国し、犯罪に関与するケースが目立ち、現地の日本大使館が注意を促していた。(有元愛美子、野口駿、仁村秀一)

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